
あたしはいっちょん。
ファイナルファンタジー14の「14」から名前を取った。
いちよんだからいっちょん。
あの、「てんぱりデジョン」から、数週間が過ぎた。
その後、あたしはなんだか気まずくなって、採掘も辞めてしまった。
何をするわけでもなく、何に夢中になれるわけでもなく、ただただウルダハの街をウロウロとしていた。

ジャーナルには、いつもオレンジ色の文字が流れている。
25 弓です。 一緒にレベル上げいきませんか? 初心者でもOKです!
あー!行きたい行きたいっ!! ほんとに初心者だけど、あたしでも大丈夫ですかっ??
なーんて言えたらどれだけ、楽だろう。
そんな、一歩が踏み出せずに、あたしは ただただオレンジ色の文字が下から上へ上っていくのを見てるだけ。
そろそろ、草綿を買うお金も尽きてきた・・・身も心もさみしいよ・・・
でもっ! いつまでも、うじうじしてても仕方ないっ!
もうたぶん、あのブリオーさんもレベルが上がって、違う採掘場に行っているだろうから、もう会うこともないだろうしっ!
そろそろ採掘再開しようかな・・・

でも・・でもね。
いっちょん・・・ひとつだけ、自分に約束しよう。
もし・・・万が一・・・あのブリオーさんにまた会ったら・・・
今度は・・今度は・・・ あたしから声をかけようっ!!
ま・・・まあ・・会ったら・・だけどねw
でも、そう決めると不思議と勇気が沸いてきた。

あたしは、採掘のリーヴを受け取り、久しぶりにウルダハの外に出た。
乾いた大地を蹴る音がサクサクと響く。
天気も快晴で、気分も明るくなるっ! 薄い青色の空を流れる雲を見ながら走ってると、なんだかここ数日ウルダハに引きこもっていた事が、バカらしくなってきたw
走っているだけで楽しくなるっ!

リーヴのカードを投げて、早速スタート!
ザクザクと木にハチェットを打ち込む。 これ・・楽しいんですよねw
何が出るかなーっw

一度始めたら、一心不乱ですよっ!
まあ、ハチェットを振り回しているのか、ハチェットに振り回されてるのかわかんないけど、一生懸命がんばるよっ!
遅れていた分を取り戻さないとね、がんばれっ!いっちょん^^
だんだんとテンションが上がってきて、やっぱりFF14はおもしろいじゃーん!とかなってきた所だった。
あたしは、運がいいのか、悪いのか。
また、背中に気配を感じたのです。

・・・・いる・・。
あのハチェット・・・、白いブリオー・・・。
あの子だ・・・。

どうする!どうする!どうする!どうするっ!?
声かけないとっ!いやっ!逃げないとっ!また次声かけるっていう手もあるしっ!っていうかなんて声かけるの?
リアルは夜だから「こんばんは」?、でもエオルゼアは昼だし「こんにちは」??
顔文字とか使うのってどうなの?初対面の場合は失礼なの??逃げたいっ!ここから逃げ出したいっ!
でも・・でも・・・でもーーー>< 〔1秒〕

「この間も、会ったね^^」
ジャーナルに白い文字が出た。驚いたことにブリオーさんから話かけてくれた。
・・ていうか、これ・・あたしに言ってるのかな? まわりに誰もいないし、あたしなんだろうな・・・
あたしは、必死でキーボードを叩いた。返事をしようと・・でも・・・SAYでいいの?いいんだよね?
と迷っていると、さらにジャーナルに白い文字が上がった。
「FF始めたばかりなの?w」
緊張してる・・・あたし、緊張してる・・手が震えてる・・キーボードがうまくたたけない;;;
それでもあたしは、必死でキーボードを叩いた。
ここで、返事が出来ないと、一生友達が出来ない気がしたから。
そして、あたしは・・・このエオルゼアで、初めて声を発した。あたしの声を。
「unnhajimetabakkaride///」

死にたい。
半角/全角押さないと日本語にならないのか・・・
恥ずかしくて、顔から「ファイガ」が出せそうだ・・・
もう絶対変な子だって思われてる・・・ひょっとしたら外人かもとか・・・思われてる・・・
もうデジョンだっ! 耐えられないっ><
そのとき。

「日本語でおk!どんまいどんまいww」
「大笑い」のエモーションをするブリオーさん。 日本語でおkってw 一応日本語なんだけどなw
なんだか、大笑いするブリオーさんを見て、あたしもなんだか可笑しくなってきた。

だから、あたしも「笑う」のエモーションで返したんだ。
で、今度はちゃんと半角/全角キーを押してから話した。
「うん、あたしまだ始めたばかりでよくわからないの。ごめんね」
流れる私の声、白い文字。
そして返って来る白い文字。
「私も、まだ始めて1ヶ月くらいだよ^^」
そうだったんだ。ブリオー着てるからもうベテランさんだと思ってた。

「私の名前は、フォティン。FF14のフォーティーンから取ったんだ^^」
えっ?そうなんだっ??

「あたしは、いっちょん。あたしもFF14の14から取ったんだ。」
「あー!いちよんだからいっちょんかw 同じだねっ^^すごいーっ!」
「うんうん!すごいよねーっ」
ありがとう、フォティンちゃん。この時、声をかけてくれて。
フォティンちゃんのおかげで、あたしわかったよ。思い出したよ。
子供の頃、どうやって友達を作ったか。

友達は、作るものじゃなくて、できるものなんだね。
前向きに動きさえすれば、色々な偶然や奇跡が重なって、めぐり逢うんだね。
あたしは、この日、エオルゼアに友達ができた。
これから始まるんだ。
あたしの物語が。
この、エオルゼアの青い空の下で。
・・・フォティンちゃん。
あたし、この時はほんとにそう思ったんだよ。
この時は。
つづく。
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