
いつもは、頑張ってネタバレ無しで感想を書いているのですが、今作品に関してはどうしても触れなくてはいけないネタバレがあるので、今回はネタバレありで感想を書かせて頂きます。
The Last of Usは、非常によくできたゲームですので、本日の記事はプレイをされてから読まれる事を強く推奨いたします。
また、今は興味がないけど、いつかやるかもしれないという人も読まない方が良いかなと思います。
プレイ後にお読みくださいませ。
では、以下、ネタバレありの感想記事です!

約1週間かけて、The Last of Usのパート1とパート2をクリアしました。
両方とも攻略サイトなどに頼る事無く自力でクリアできました。故にネタバレをまったくくらわずクリアしたわけですね!
パート2のエンディングを終えて、余韻に浸りながら、みんなどう思ってるんだろうとレビューサイト等を覗いてびっくり。
え?このストーリー賛否両論なのっ!?
僕の感想としては、これ以上ないくらい綺麗に着地したなぁと涙してたんですが・・・ダメっていう人もいるんだ?
否の人はどういう感想なんだろうと、読み込んでみたら・・・なるほど・・・。
どの意見もだいたいジョエルの死が尾を引いて・・・って感じなのかなと感じました。
なるほどなあ・・・・・。わからないでもないなあと思いながら感想を読んでました。

まず僕がラスアスに感じたのは、これはパート1と2を通しでやらないと見えてこない所が多いように感じました。
これ、パート1だけ終えて時間が経ってしまうと、ジョエルやエリーに対して感情が高まっていってしまうと思うんですよね。
体験は時間が経つと美化されていくので、なんとなくパート1は、「ジョエルのエリーに対する愛情の話」のように感じてしまうかもしれない。その状態でパート2をやると、なんでアビーを操作しなあかんねん!とか、ジョエルー(泣)!とか復讐だ!っていう気持ちでプレイしてしまうだろうなあと思う。
僕は、パート1と2を通しでやったので、上記のようには感じなかった。

これは僕の個人的な感想でしかありませんが、パート1は徹底して「罪」について語っている作品だなあと感じました。
ここで言う「罪」は、社会通念的にやらない方がいい事、人を陥れたり、殺したりするという事ですね。
冒頭で、ジョエルの娘のサラが、誕生日プレゼントを渡す時に「麻薬を売って稼いだの」と冗談を言います。それに対してジョエルは「またそんな悪い事言って・・・」みたいな表情をする。しかし、パンデミック後の秩序が崩壊した世界でジョエルは麻薬の密売や武器の密輸で生計を立てている。娘に対して真面目だったお父さんが、罪悪感をどこかで持ちながらそうしないと生きていけないからという理由で仕方無くやっている。
パンデミック後の正義も秩序もひっくり返った時、現在で言う「罪」は罪と言えるのか?
そんな事をテーマにしているのかなと思いながらプレイしていました。
また、ジョエルというキャラクターは、愛する者を守る為なら非情になれるという一面があります。
これはパンデミックとは関係なく、元からそうだったんだなというのが、冒頭の親子を見捨てるシーンで感じられますよね。
パンデミック後も、エリーや仲間を守る為に人をバンバンと殺していく。
しかし、それは何かを守るために行う「罪」であって、これもまた麻薬の密売で生計を立てるのと同じように仕方なく行う「罪」なのかなと思いました。

ただ、パート1ラスト近くの手術室のシーン。
ジョエルは、明らかに今までと違う毛色の違った「罪」を犯します。
それは、世界を救う鍵になるかもしれないエリーを連れ出したという事ではなく、あそこで医者を撃ち殺した所です。
あの殺人だけは、殺さなくても良いのに、ジョエルが感情のまま人を殺している唯一のシーンなんですよね。
あの殺人だけは、仕方ない理由があったわけではない。ジョエルなら殺さずともエリーの救出はできたはず。
なので、僕はあの殺人にとても違和感を感じたままパート1のエンディングを迎えました。
エンディングは、なるほど、それも含めて全ての罪を自分一人で背負って、生きていくんだなあ・・・
それはとても重く、辛いものなので伴侶に対してなら一緒に背負ってって言ってもいいけど、娘のように思っている子には言えないわな・・・それもひとつの親の「愛情」か・・・という感想でした。

そんな感想を持った直後に始めたパート2。
クリア後に僕が思った感想は、1作目のアンサーとして今回は「許し」がテーマだったなと思いました。
開始直後、40分くらいでジョエルが殺されてしまうわけですけども・・・まあこれはビックリしましたw
でもそのビックリは、思い切ったなあ!というビックリでありショックとはまたちょっと違った。
まあそりゃ、エリーも復讐するよねという気持ちで進めて行くとやがて、キャラクターがアビーに切り替わり、何故ジョエルを殺したのかという理由が明らかになっていく・・・。
ここが一番衝撃でしたね。あの医者の娘か!とw

もうここからは、えげつないほどの憎しみと復讐の連鎖。
たとえそれが、パンデミックで秩序が崩壊した世界であっても、大切な人の死は限りない悲しみであるという事は変わらない。
エリー編でジョエルを失いプレイヤーの復讐心を煽り、バンバンと仇討ちをさせた後、殺した人の背景を後出して見せていく・・・。
パート1同様に、犯す「罪」にも全てそれまでの経緯と理由がある。それをまざまざと見せつけてくる演出は鳥肌でしたよね。
これは映画ではできない。
実際にボタン(トリガー)をプレイヤーに引かせて体験させてから語られる、殺してしまった罪悪感はゲームでしかできない演出だなあと思いました。

そして、アビー。
アビーの感情の移り変わりも見事だなあと感じました。ジョエルは親の仇ですからこれでもかってくらいに殺しました。
ですが、本編を通して2回エリーを見逃します。レビューを見てるとなんでエリーを見逃すのかわからないという意見をチラチラ見ましたが、僕は見逃した理由がなんとなくわかりました。
1回目は、復讐だと思います。親を殺された私と同じ気持ちになりやがれ的な理由。
2回目は、親になる事で「許す」という事を覚えたからだと思うんですよね。
人は子供ができる事で初めて「許す」という意味を知ると言われています。
アビーは直接的に子供ができたわけではないですが、レブと行動を共にする事で親としての感情が芽生える。
ラストなんかまさに親の行動ですもんねw
なので、仲間を殺したエリーを許し、見逃した。
「許す」事だけが憎しみの連鎖から抜ける唯一の方法だと悟ったんでしょうね。
ラスアスの憎しみの連鎖から1抜けです。

この構図をより分かりやすくするためにディーナがいたのかなと。
ディーナも子供ができた事でジェシーの仇であるアビーを追わなかった。2抜けですね。
みんな復讐よりも大切な物をみつけて行く中、トミーとエリーは、子供がいないのでまだ「許す」という感情がいまいち理解できないので、復讐心が消せないでいる。
今一度、アビーを追うエリー。
そういう目線でストーリーを追っていたので、最終章はハラハラでしたねw
果たしてエリーは「許し」の感情に到達できるのか?

ラストバトルは、もうやめろっ!って泣きながら□ボタンを連打してましたw
人の感情の中でも「許す」ってものすごくパワーがいるし、とてもとても難しい事だと思うんですよね。
大切な人を奪われた怒りをぐぐぐぐっと抑え込まないとできないわけですし・・・。
それでも、エリーは最後の最後にアビーを「許した」。3抜けですね。

エリーは子供という存在が無い。でも許しの境地に達する事ができた理由は、ジョエルだった。
病院での出来事についての真実を知ったエリーとジョエルの会話。
「多分、一生その事は許せないと思う・・・・でも・・・許したいとは思ってる」
「それでいい」
「わかった」
ここで大泣きましたよねー・・・・。
俺にはできなかったけど、お前にはそれができる。
復讐の連鎖から抜ける事ができるって言っているようで・・・。
そのやりとりが、心のどこかにあったからこそ、エリーは「許し」という救いを得た。
許せなくてもいい。
でも、許したいと思う気持ちを持つ事は、これからの人生とても意味がある。
パート2は、そんな事を教えてくれたんだなあ。
パート1が「罪」ならば、パート2は「罰」なのかなと思いましたが、もう一歩踏み「許し」をテーマにしてる所が大人だなあwと感じる。

エリーは最後、ジョエルのギターを置いて旅に出る。
ああ、ギターに頼らずとも、エリーはこれからの人生ジョエルと共にあるんだなあと感じさせてくれるエンディング。
ギターは無くとも、ジョエルからもらったたくさんの言葉がエリーを作っているわけですもんね!
パート1から2を通してエリーの成長を描いた良い話だった。
というのが、僕の感じた感想です。

賛否分かれるのはよくわかるw
僕が抱いた感想は、あくまでストーリーの構成や人物配置、僕自身の経験などから僕が勝手に感じ取った事に過ぎない。
エリーの感情はこうなのですとか、ジョエルは思いました。なんて明確な説明をナレーションしてくれるわけでは無いですからねw
何事も感想というのは、受け手によって変わってくる。それだけ深いテーマをThe Last of Usは描いているんだな感じます。
良いゲームでした。
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