
最近「ガンダム」を見たことが無い!という人がいるらしい。
ガンダムOOとか鉄血のオルフェンズは見たことあるよ!
ううん、そうじゃなくてファーストガンダムって言われる最初の「機動戦士ガンダム」の事ですっ!
なんかそれを聞くと、「もったいないなあ・・・」って思ってしまうんですよねw
僕は「機動戦士ガンダム」見ましたよ!っていう人も勿論多い。
こないだガンダム好きっていう人と話をしたら、嬉しそうに
「モビルスーツの足はかざりなんですよw」
ジオンの整備兵も言ってますしねーって自慢げに言ってました。
なんやねん、もう・・・。お前はジオンの整備兵が死ねって言うたら死ぬんか。
その台詞を言いたかっただけちゃうんか・・・と。
あのな・・・・。

機動戦士ガンダム 第42話「宇宙要塞ア・バオア・クー」の中でも有名なシーンやんなそれ。
シャアが、ジオン公国の最終防衛ライン ア・バオア・クーの決戦で自分の乗るモビルスーツが無いから出撃できないという情けない状況の中で、キシリアさんに「ほな新しいジオングっていうのがあるからそれ使ったらええわ、でも80パーしか完成してないけど・・・まあなんとかなるやろ」みたいな事を言われて、どんなんかなー?って見にきたら・・・

足がついてないわけですよ!
いやいや、今までずっと足のついてたやつ乗ってきたし!
80パーしか完成してないっていうけど、まさか足が無いとは思わんかったわ!
って思ったわけですよ。だから思わず・・・

「足が無いな。」・・・ってあまりにも素直な感想を述べるわけですよ。
ちょっとびっくりした、そうきたかー!っていうのがあったんでしょうね。
ふつーにそう思ったから、つい言っちゃったんでしょうね。
そしたら・・・

「足なんてかざりですよ!エラい人にはそれがわからんのです!」
っていきなり整備兵がつっかかってくるんですよっ!
まあ整備兵も、ちょっと忙しくてイライラしてたんでしょうね・・・
別に足いらんやろ、これでええやんけ!ってイケてるって!
そう思ったんでしょうね。

さて、この「会話の意味」。 これをどう理解するか・・・なんですよね。
台詞どおりに考えると、整備兵が上官に皮肉を込めて「足はいらない」と伝えたように取れますよね。
偉い人は所詮「技術屋」の言う事は聞かない、わかってくれない。宇宙空間では、AMBACという技術を使って燃料を使わず姿勢制御を行う為手足があった方がいいというのはわかるけど、今のこの状況ではそんな事よりも足を外してバーニアを付けて、機動性を上げた方が有利だという判断、偉い人のあなたにはわかんないかもですがっ!
という意味がこもっている様に思える。たしかにそのつもりで言ったのかもしれない。
ただ問題なのは・・・
それを『誰に向かって言っているか?』が重要なんですよっ!

相手はあの「赤い彗星」と呼ばれた人なんですよ。
富野監督が、「シャーっとやってくるからシャア」って適当に名前をつけたらそれが通ってしまった男、シャアなんですよ!
スポンサーの意向で悪者っぽくマスクを被らせましょうって言われて被らされてるシャアなんですよっ!
当時のサンライズにピンク色の絵の具が大量に余っていたからという理由で、モビルスーツをピンクに塗られる男シャアなんですよ!!
このシャアが「赤い彗星」と呼ばれる理由は、モビルスーツを通常の3倍の速度で動かすことができるから「赤い彗星」って呼ばれてるわけですよ。
でもそんなの本当は無理じゃないですか!
じゃあこの人が最高速度120キロの軽トラに乗ったら、360キロまで出せるの?っていうと無理じゃないですか!!
「赤い彗星」と呼ばれている事には実はカラクリがあって、「ルウム戦役」の時に「5隻飛び」というのをやったからなんですよ!
1隻の戦艦を沈めたら、ものすごい速度で次の戦艦に飛び移り、その調子で5隻の戦艦を沈めた・・・。
その時の飛び移る速度が通常の3倍くらいに見えたから「赤い彗星」って呼ばれ始めたわけです。
じゃあどうやってそのものすごい速度を出したのかというと・・・
沈めた戦艦の甲板を『踏み蹴って』加速してたんですよ!
つまりシャアは、モビルスーツの手足をうまく使って初めて「赤い彗星」と呼ばれているのに・・・
そんなシャアに向かって・・・

「足なんてかざりですよ!エラい人にはそれがわからんのです!」
偉い人は、技術屋の事はわからない、そして技術屋もまた現場の事はわからない。
それは様々な仕事の現場でおきるすれ違い・・・この台詞はそれを表す象徴である。
僕はこのシーンの この有名な台詞を聞くと、そんな風に受け取れるんですよね。

「機動戦士ガンダム」の良いところは、
ほんの数秒のやり取りの中にもこうやって人生を生きる為のヒントが隠れているところ。
いつかきちっとガンダムを知らない人でもそれらの魅力がわかるような記事を書きたいなーとか思っておりますw
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