
うちの家は、食事時・・・いつもテレビをつけている。
特別見ているわけではなく、なんとなくかかっている・・・・という感じだ。
数年前までは、僕も父もろくに会話もせずに、テレビから聞こえてくる音声とテレビに対する母のツッコミという多重音声を聞きながら食事をするというのが我が家の夕食時の光景だった。
しかし、今日は少し雰囲気が違う・・・
夕食をとりながらDVDを見ながら3人で感想を言い合っている。
ラベルも何も貼られていないDVDのタイトルは・・・
「ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」。
まだ画面の色味が未調整で仮のBGMが入ったシーンをつなげ合わせた粗編集のものだが充分1本のドラマとして見れるもの。
その粗編集の動画ファイルを父と母が見れるように僕がDVDに焼いてあげたのだ。
自分がモデルになったドラマを笑いながら見ている父。
どんな気持ちで見ているのか僕は気になる・・・。
あっという間に30分は過ぎ、第一話を見終わった時、父は僕に聞いてきた。
「これを作ったんか?」
「・・・そうやな、みんなと一緒に作った」
父は満足げな表情で続ける・・・。
「プロと素人が一緒になって物を作るというには本当に大変なことや。
それでもそれを乗り切って、最後まで作りきれたという事なんやな。」

父の言うとおりだった。この作品はプロと素人が一緒になって物を作った。
素人だからこそ、視聴者の立場に立ち忌憚の無い意見をする。
そしてプロの人達がその意思をくみとって形にしていく。
意見がぶつかる事もあったけど、その都度納得いくまで話し合った。
TVドラマ【光のお父さん】は、まさにそういう形で作り上げられたからこそ、熱い熱量を帯びた作品になったんだと思う。
そうして出来上がったドラマを見て、父はどう思ったんだろう?どんな気持ちになったんだろう?
「どうやった?ドラマの見終わって・・・どんな気持ち?」
父はニコリと笑って答えた・・・。
そうやな・・・
「とりあえず・・・お母さん役の石野真子さんな・・・・」
「・・・・うん」



人は 「夢」 をみる。
希望・・・ 憧れ・・・
こうなれたらいいな・・・・ こうだったら幸せなのにと・・・・ 人は様々な「夢」を想い描く。
そして その「夢」が「目標」に変わったとき・・・
新しい冒険が始まるのかもしれない・・・・。
この物語は・・・・
「ゲームプレイブログのTVドラマ化」
という、 前人未踏の夢に【挑戦】する・・・
ひとりのゲームブロガーと、
ひとりのプロデューサーの物語である。

「あれから、もう1年ちょっとが経つのか・・・・。」
「最初はほんと・・・びっくりしましたよね。」
「いきなりTVドラマ化させてくれ!・・・だもんねw」

ぴぃさんがエオルゼアにやってきて・・・もう一年以上が過ぎていた。
光のドラマ化計画は、その後も順調に進み、ついに全7話の編集も終了。
オープニングとエンディング、そして効果音やBGMに関しては・・・
なんとFF14のサウンドチームが忙しい業務の合間を縫ってひとつひとつ付け加えてくれたとのこと・・・。
エオルゼアパートの私達だけではなく、本当にたくさんの人が関わってくれて、たくさんの情熱や愛情を注がれて1本のドラマが完成した。

そして「光のお父さん製作委員会」はドラマの完成を各種メディアさんに発表する
「光のお父さん完成記者会見」の開催を決定。
もはや、そのプロモーションは「深夜ドラマ」の枠を超え、映画規模のものになりつつあった。
しかも今回は、各種メディアさんの「エオルゼアパート」に対する理解を深める為、通常の記者会見に加え、FC:じょびハウスの地下を使い 原作者であるマイディーさんがゲーム内から質疑応答を行う「エオルゼア記者会見」も同時に行うこととなった。
これも史上初の試みだ・・・。

「ここに・・・来られるんですか・・・
吉田さん・・・。」
「来られるね。」
「ひゃあ~っ!」

それは言うなれば、この世界を作った人がここに来るわけで・・・。
FC:じょびのハウジング班は、ここが腕の見せどころ!と記者会見会場を大急ぎで組み立ててくれている・・・。

みんなもすごく興奮している。
今までみんなで頑張ってきたからこそ・・・掴み取れた結果だもんね。
それをたくさんの人の前で発表できるのだから・・・興奮するのも無理は無いよね。

ここがきっと私達が目指してきた場所で・・・
マイディーさんがずっと夢見てきた場所になる・・・。

「マイディーさん・・・やっとここまで来れましたね。」
「うん・・・・。」

「・・・・・・。」

「ここにもいろんな人が来たねw」
「もう慣れましたねw」

「そうそう、この間モモゾノさんからメールが来たよw」

「あー!セクシーグラビアの!w」
「そうそうw ドラマ化びっくりしました!
おめでとうございます!嬉しい!ってw」
「えええw」

「覚えててくれたんだね・・・嬉しかったよw」
「嬉しいですね!」

「ほんとにいろんな人と出会えたね・・・みんな方法や考え方は違うけど、その人達は僕らに色々な事を教えてくれて・・・」
「私達だけじゃなく、関わった皆さんのおかげで・・・」
「僕らはこの場所に来れた・・・」
「皆さんに感謝ですね。」
【おーい・・・】

【マイディーさん、ぴぃさん来てるぞー。】
【りょうかーいっ!】

「たぶん、『アレ』が決まったんだ!」
「おおーっ!ついにっ!!」
「ちょっと話してくる!w」
「はいw」

オンラインゲームの・・・可能性・・・か。
私達はオンラインゲームが好きで・・・毎日何時間もモニターの前に座っている。
その姿を不健全だと罵る人もたくさんいる。
私達がモニターの先の何を見ているのかもきっと知らずに・・・罵られている。

このドラマで、一人でも多くの人に知ってほしい・・・。
私達のいる世界のことを、知ってほしい。
私達の好きなオンラインゲームはこんなに良いところがあるんだよ!って、たくさんの人に伝えたい。
そしてそれをたくさんの人に知ってもらうのがマイディーさんの「夢」。
そしてもうひとつ。

それはぴぃさんが一度は捨てた『夢』。
自分がこれだと思う作品をプロデュースして・・・ヒットさせたい。
自分の納得のいく作品を作り上げ、世に送り出したい・・・。
それがぴぃさんの・・・・「夢」。
二つの「夢」が重なって、そこに多くの人の気持ちが集まって・・・1本の作品になった。

「なんか楽しそうに話してるなw」
「うんうん・・・あの様子だと 決まった んだね・・・」
「ん?何が?」

「私達で作った・・・TVドラマ【光のお父さん】の・・・

「はい!?『世界配信』!?」

NETFLIXと契約をして・・・
日本にいる人はもちろん・・・
世界中の人が見れるよう世界に向けて【光のお父さん】をネット配信する。
ぴぃさんや製作委員会の人がずっと頑張って交渉してくれてたんだよ・・・。

日本での地上波だけじゃなく、同時にネット配信も行って・・・
世界中の人に【光のお父さん】に込めた想いを届ける。
マイディーさんの想い・・・ぴぃさんの想い・・・吉田さんの想い・・・SQEXさんの想い・・・
俳優さんの想い・・・声優さんの想い・・・スタッフさんの想い・・・監督の想い・・・脚本家さんの想い・・・
そしてこの世界を愛するみんなの想い・・・。
海を越えて・・・アメリカやヨーロッパ、韓国、中国の光の戦士達にも届くといいね・・・私達の想い・・・。

「まったく・・・どこまで行くのやら・・・・w」
「がんばらないとねっ」
「しかし・・・自分の持つ『夢』ってのが叶ったら・・・」

「あんなにも楽しそうに笑えるもんなんだな・・・w」
「ねw」

「あるさーん!!あるさんにもお知らせがありますよーっ!w」
え・・・・? なになに・・・?

え・・・・・?

「私も・・・ですか? は・・・恥ずかしいですよっ!w」
「世界配信だしねーw」
「ひいいっ!!」
「またみんなでがんばろw」

そしてその翌日・・・SQEX本社にて・・・
TVドラマ【光のお父さん】完成記者会見が開催された。
この日、多くの報道陣の前で、オープニングとエンディングを歌うアーティストの皆さんに加え、私達の声を担当してくれる声優さんの方々の情報が公開。
私達は、エオルゼア記者会見に出席するのでログインして待機・・・

エオルゼア記者会見で質疑応答に答えるのは、マイディーさんと監督のでぃさん、リューハラさんと・・・吉田さん!!
会場の様子は私達には伝わってこないけど・・・マイディーさんがチャットで状況を教えてくれる・・・。
この日は平日のお昼間なので参加できるメンバーだけ来てねってマイディーさんに言われてたのに・・・
絶対無理して参加するな!ってマイディーさんあれだけ言ってたのに・・・

「なんでほぼ全員いるのっ!みんな会社は??」
「有給とった」
「ちょっと!w」

■ TVドラマ「光のお父さん」完成記者会見記事
● ファミ通様
ドラマ『FFXIV 光のお父さん』完成発表記者会見に千葉雄大さん、馬場ふみかさん、南條愛乃さんらが登場。主題歌を歌うGLAYからメッセージも!
● INSIDE様
【レポート】エオルゼアでの会見も!ドラマ「FFXIV 光のお父さん」完成発表会
● GAMEwatch様
「ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」記者会見が開催
● 4gamer様
ドラマ「ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」制作発表記者会見をレポート。現実とエオルゼアがシームレスにつながる映像に注目だ
長い長い旅路の果てにたどり着いた・・・完成記者会見の場所。
それすらも私たちの手作りで・・・私たちの想いがこもってる。

そしてこの日の完成記者会見の後・・・
いよいよ始まるんだ・・・放送開始までの最後の仕事・・・
「プロモーション」が!

出来上がったドラマをより多くの人に見てもらうためのプロモーション。
それがいよいよ始まる・・・。
それはまるで・・・
今まで入念に仕掛けてきた仕掛け花火に火がついたかの如く・・・・
怒涛の勢いで次々に連続爆発する。

ドラマ用の公式ページがプロモーションの一環として立ち上がる。
MBS/TBSドラマイズム「光のお父さん」公式Twitterアカウントを始めました!よろしくお願いします。byスタッフM #光のお父さん
— ドラマ「光のお父さん」 (@ff14_dol) 2017年2月23日

ドラマの公式サイト立ち上げと連動し、FF14のランチャーやロードストーンにもバナーが登場。
私たちもこれは聞かされていなかったので、ログインしようと立ち上げてびっくり!
でもなんだか・・・とても心強い気持ちになれて・・・とても嬉しかった。

GLAYさんの歌う「the other end of the globe」が映像つきで流れ、正式にお披露目される。

翌月の3月3日には、書籍版光のお父さんも本格的な販促をスタート。

講談社さんが公式ページが立ち上げてくれる。
すでに書籍の予約数は予想を超え、当初の部数よりも多目に刷る事が決定。
このアカウントでは、3月16日発売の書籍「ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」のさまざまな情報をつぶやいていきます。ぜひフォローをお願いします!
— 書籍『光のお父さん』公式サイト│講談社 (@dol_book) 2017年3月3日
公式ツイッターではプレゼント企画などのプロモーションも開催された。
そして・・・・その波はどんどんと大きくなり・・・・

それはまるで・・・

ここまで懸命に走ってきた私たちに・・・・
新刊情報
— クーガー@光の書店員 (@midori_kuwano) 2017年3月18日
【光のお父さん】 マイディー著
いつしか疎遠になった父と子が
オンラインゲームを通じて織り成す
親子の絆を取り戻す物語。
オススメの一冊です!
50冊入荷しました!
マイディーさんからの色紙と当店へのコメントも頂きました#光の本屋さん #光のお父さん pic.twitter.com/hNF2oDIKML
「もうすぐゴールだよ!がんばれがんばれっ!」
『光のお父さん』重版が決まりました!!!早速ご購読くださったみなさま、うれしい感想を書き込んだ読者はがきをくださったみなさま、そして書店のみなさま、ありがとうございます!気になっているけど未読という方、是非お手に取ってみてください!(編集担当K)#光のお父さん pic.twitter.com/JErBeipjLQ
— 書籍『光のお父さん』公式サイト│講談社 (@dol_book) 2017年3月21日
そう言ってみんなが手を振りながら・・・
一緒に走ってくれているように思えて・・・

マイディー @Maidy_Maidy さんのブログ人気コンテンツを実写ドラマ化。父と息子が #FF14 @FF_XIV_JP で共に冒険する実話ドラマ『ファイナルファンタジーXIV #光のお父さん @ff14_dol 』予告動画。https://t.co/3XEhGfqpFP pic.twitter.com/xKRs3wrF1Y
— YouTube Japan (@YouTubeJapan) 2017年3月29日
苦しいこともいっぱいあったけど、ここまで走ってこれたんだなって思えて・・・
一歩一歩・・・ひとつも手を抜かず・・・
振り向かず前だけを見て走ってきたから・・・
振り向いたらこんなにも・・・
こんなにもたくさんの人と一緒に走ってたんだなって思えて・・・
うれしくてうれしくて・・・・
感謝の気持ちでいっぱいです・・・
本当にありがとうございました。

「きっとこれが僕たちの夢見てきた・・・
オンラインゲームの持つ可能性なんだと思う。」
「多くの人が、力を合わせ信じあって助け合えば・・・・・」
「・・・リアルだって変えられる。」

「オンラインゲームを愛する人達の気持ちがひとつになれば・・・・
きっと世間もわかってくれる。」
「このドラマがその一歩になればいいですね。」
私たちが1年かけて作ったのは・・・
年間に何十本と作られるドラマの1本に過ぎないのかもしれない。
でも・・・この1本には・・・私たちの大好きなオンラインゲームへの愛がたくさん詰まっている。
みんなのオンラインゲームに対する想いが世界中の人の心に届くといいな。

「マイディーさん、ぴぃさん・・・
夢は・・・叶いましたか?」
「うん・・・・ありがとう・・・・」

「これが僕らの・・・『夢』だった。」
人は 「夢」 をみる。
希望・・・ 憧れ・・・
こうなれたらいいな・・・・ こうだったら幸せなのにと・・・・ 人は様々な「夢」を想い描く。
その「夢」が「目標」に変わったとき・・・
新しい冒険が始まるのかもしれない・・・・。

そして・・・
「夢」を追いかける「冒険」にはゲームオーバーが無い。
諦めずに自分を信じて進み続ける限り。
これはそんな・・・「あたりまえ」の物語。



そのタイトルは・・・・

「えええーっ!?」

「私も・・・・ですか!?」


僕たちの夢は終わらない・・・。
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