
「3回泣いたわ。」
うちの母は、これだけ父と息子がFF14に熱中しているのに、まったくもって興味を示さない。
自分の家族がドラマになるというのに、FF14にはまったく興味を示さない。
「光のお父さん」についても、ブログの読み方がわからん!という理由でまったく読んでない。
そんな母に、先日講談社様からいただいた見本本を食卓に置いておいたら
興味を示して手に取り読んだらしい。
そして・・・3回泣いたらしい。
オンラインゲームが何なのかもまったく知らない母が手にとって読み、3回泣いた。
・・・・なるほど、これは本にした意味があったなと思った。

つい先日、講談社に「見本本」の受け取りに行ってまいりました。
僕はブログしかやってなくて同人誌とかやった事が無いので、「自分の書いたものが本になる。」という感動は初めてでした。
手に取ったとき、紙独特のずしっとした重さを感じ、なんとも言えない感動を味わいました。
光のお父さんは僕が書いた文章ですが、この本には「この形」に至るまでのたくさんの人の想いが詰まっており、それをしみじみと感じるとても「愛おしい形」になったなと、受け取った時 涙がこぼれそうでした。

パラパラッとめくると、必死で撮ったSSが綺麗に印刷されていました。
とにかくこだわったのは、ブログの雰囲気をそのままに、オンラインゲームを体験したことない人にもわかりやすく描くこと。
FF14のプレイヤーが、友人をFF14に誘う時の呼び水になるように専門用語等を徹底的にわかりやすくやわらげました。
ブログの文章をベースに、切って繋げて書きなおして、書き足して・・・そうしてやっと完結した一冊。
もうすぐこれが書店に並ぶんですね・・・。
そして、この本を手にとって頂く方々に 実はどうしても知っておいて欲しいことがひとつだけあるんです。
書くかどうかずっと迷ってきましたが、この本の重さを感じ 書く決心がつきました。

この本を書き上げるにあたって大きな力になってくれたのが、光のぴぃさんに登場する「タカダさん」のモデルになった人物
原田隆氏の存在です。
原田さんは、本なんか書いた事がないただのブロガーでしかない僕に懇切丁寧に「本はこうやって書くといいよ」という事をゼロから教えてくださいました。
僕は漫画なんかの影響で「編集さん」はただただ怖い人というイメージがありましたが、原田さんはいつも温厚で的確にアドバイスをしてくださいました。

特に思い出深いのは、僕が「書き下ろし」にこだわり、いちから小説風に書き直した原稿を見て
「これはおもしろくないですよ。」とズバっと言って頂けた事でした。
文章って割と技術や語彙力も必要だと思いますが、その文章を書くときの「キモチ」がとても大きく反映される。
ブログを書いた時のキモチと今のキモチではまったく違うんです。光のお父さん計画の「結末」を知って書く文章と、知らずに書く文章では読んだ時のおもしろさに絶対的な違いが生まれてしまう。それを教えてくれたのも原田さんでした。
そこからもう一度元の文章を読み直し、わかりやすく書き足してブラッシュアップしていく。
あの一言が無かったら、全然違う方向に進んでしまっていたかもしれない。
書き直した文章を見て、原田さんはとても優しく「これで行きましょう」と言ってくれた時、とても嬉しかったのをよく覚えています。

ドラマ化が決定し、キャスティングも決まり、本の執筆も順調だった9月の終わりごろ
原田さんは、58歳の若さでこの世を去られてしまいました。
ぴぃさんからその訃報を聞いたとき、ついこの間まで電話でとても優しく指導してくれていた声をもう聞く事ができないのか・・・。もう直接「ありがとう」って言えないのかととても悲しく涙がこぼれました。
お通やもお葬式もドラマのクランクイン当日で、僕もぴぃさんも出席できず、撮影が落ち着いた頃、僕とぴぃさんで原田さんのご自宅にお伺いし、お線香をあげさせていただきました。
大作家さんの本は、極端な話私が担当しなくても売れるんです。
あなたのようなこれからの人を担当する方が・・・編集は楽しいんですよ。
というぴぃさん10話に登場するタカダさんの言葉は、その時に奥様から頂いたお言葉でした。
それを聞かせて頂いた時、そんな想いで一言一言僕にくれていたのだなと、ありがたい気持ちでいっぱいになりました。
この本を手に取る方々、この本が出版できたのは、原田さんという素晴らしい編集者様のご尽力とご指導があったからだこそ・・・という事を知っておいて頂けると嬉しいです。
原田さん、最後まで走りきる事ができましたっ!心からご冥福をお祈りさせていただくとともに、心からの感謝を申し上げます。
たくさんのご指導、本当にありがとうございました。

その後、新しく担当してくださった加藤さんも、原田さんに負けず劣らず親切丁寧に指導してくれました。
宣伝チームのみなさんもFF14始めてくれたりして、とても明るく楽しくサポートしてくださいました。
そして僕が感動したのは・・・加藤さんが作ってくれた

この「帯」でした。
この一言は、今回の光のお父さん関連を象徴する最初の言葉であり、何より全文の中で原田さんが一番気に入ってくれていた一文でした。突然の事だったので引継ぎも何もなかったのに、この一文をセレクトしてくれたことが講談社さんの中できっちりと本や文章に対する想いが引き継がれていくのだなと感じて、打ち合わせで見せられたとき涙をこらえるのに必死になっちゃいました。

あと、この帯にはスペシャルな秘密がありまして・・・
帯裏にある、QRコードをピッとしていただけますと・・・
その後の光のお父さんを描く書下ろし短編記事
「光のお父さんは室町きりんに叱られた」を読む事ができますっ!!
久しぶりに光のお父さんのフォーマットで記事を書いたのですが、楽しく書くことができましたよっw
こちらは期間限定になっておりますので、お気をつけ下さい。

あとガラにもなく、サイン色紙やサイン本も作りました。
せとちゃんの案で「M」をかっこよくミコッテの耳みたいにしてみたんですが・・・
サイン本は、とにかくたくさん書かせていただいたのですが・・・
書いていくうちにどんどんMの字がヘタクソになっていきました・・・。
手にとってなんか上のサインと違うって思った方・・・
書きながら心の中で「すいません・・・」って3回謝ってますので・・・
綺麗に書けたやつより気持ちはこもってますっ!w
・・・・ゆるしてっ!!w

そして、サインを書いている時に教えてもらったのが、
全国の本屋さんに勤める光の戦士たちがすごくプッシュしてくれているということ!
「オンラインゲームを愛するものとしてこの本は売らなければならない」とまで言ってくれている書店さんまでおられるそうな!
その気持ちっ!! とても嬉しいですっ!! ありがとうございますっ!!!

本もドラマもほんとうにたくさんの方々の「愛」に包まれ、世に送り出すことができる。
著者、原作者としてこんなに幸せな事はありません。
ほんとうにほんとうにありがとうございます・・・。
そしていよいよ明後日、全国の書店にて発売開始!
SS日記というブログのスタイルそのままに、ブログの文章を再構成!!
すべてのオンライナーに捧げるこの一冊・・・
「全米が泣いた・・・」とまでは言いません!
「うちの母が3回泣いた・・・!!」
書籍:ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん
2017年 3月16日発売です!
→→ 書籍の公式サイトはコチラ ←←
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