
『おもちゃ屋さん』は どこへ行ってしまったのだろう。
その昔、おもちゃは 『おもちゃ屋さん』 かデパートにしか売ってなかった。
商店街にある、おもちゃ屋さんは決して広くは無いスペースにびっしりと箱が詰まれてたりして狭い。
そんな狭い店内の奥に、おじさんがいる。店に入ってもおじさんは何も言わない。
ショーウインドウには、そのおじさんの息子が作ったガンダムのガンプラが凛として立っていた。
僕はそのガンダムが大好きだった。
しかし、国道沿いに大きなおもちゃ屋さんが誕生した。その名はハローマック。
全国展開しているおもちゃのチェーン店だ。店内は広く、ゲームの試遊もできて明るい。
そこはいつもキラキラ輝いており、僕は商店街のおもちゃ屋さんに行かなくなった。
やがて、同じ国道沿いにトイザらスができた。広くて見やすい店内。車がとめやすい大型の駐車場も完備。
さらにハローマックには売ってない海外のおもちゃ。値段も安い。
みんなトイザらスへ行くようになり、ハローマックは消えてしまった。
そして僕が大人になった今、そのトイザらスは、規模を縮小しやがて消えてしまった。
最近では、おもちゃは大型電気店で売っている。
『おもちゃ屋さん』はどこへ行ってしまったのだろう。
子供の頃よく行った商店街のおもちゃ屋さんはもうずっとシャッターを閉じたままだ。
あの頃輝いていたショーウィンドウのガンダムも、くたびれてお辞儀をしている。
さて!本日購入いたしましたのはーっ!!

バンダイ SHODO ウルトラマンVS 2個
1個確か500円くらいで買いました。そうです。いわゆる「食玩」というやつですね。
食玩だと、ブラインドボックスと言って中に何が入っているかわからないタイプの物がありますが、この商品は中身を選んで買えるタイプです。なのでダブる心配はないし、欲しい物が手に入る。
僕が買ったのは・・・

「ウルトラセブン」 と「キングジョー」です。
まー僕、「ウルトラセブン」が大好きでして!!w 今でもガンダムと同じくらい見返す作品のひとつですねー。
そしてセブンに出てくる怪獣の中でも、とりわけこの「キングジョー」が好きなんですよー!!
なので今回のSHODOは夢のカップリングすぎました!w
作品の話をすると長くなりすぎるのでこのへんで・・・

「食玩」と言うと、言うなれば所詮オマケにすぎないので、まあまあこの程度だろう・・・という妥協がつき物なのですが、このSHODOシリーズはその限界に挑戦していると言うか、プロポーションと可動を極限まで追及しているシリーズ。

なので、ほんとかっこ良くて、よく動く!!
軸間接とボールジョイントをうまく使っており、様々なポーズがとらせられるだけではなく・・・

劇中の技を再現するための数種類のハンドパーツも付属する。
ワイドショットや飛行時に使う平手や、エメリウム光線用ハンドパーツ、そしてアイスラッガーを握ったパーツ。
頭部のアイスラッガーはもちろん着脱可能。

そして何より・・・この「キングジョー」がめちゃめちゃかっこいいっ!
500円そこそこでこの出来はほんとすごい!!
バランスの取れたプロポーション。
キングジョーのデザインってすごいですよね。見ていて飽きないんですよっ!!

ロボットというと、大体直線をメインでデザインされるのですが、キングジョーはほぼ曲線で構成されている。
丸みを帯びていて、どこか愛らしさがある。
凶悪なウルトラ怪獣たちの中でも、ぶっちぎりで無表情。
無表情でセブンに襲い掛かる恐怖。
未だにファンが多いのもうなずけますねー。

そしてガム。
この商品が『食玩』である証であるガム。
このガムが1箱に1個コロッとているだけで、その商品の意味合いが大きく変わるのはご存知ですか?

少子化が進み、今はおもちゃが売れない。
おもちゃを必要とするパイが減少している。なので、大人も楽しめるようなおもちゃが販売されている。
今の大人が子供の頃に憧れたヒーローたちがあの手この手でリメイクされ、毎日商品化されている。
でも、子供がいない人ってまずおもちゃ屋さんに行かないんですよね。おもちゃに興味が無ければ行く必要が無い。
なので、おもちゃに興味を持つ大人を増やしていかなければならないわけです。
そうしていかなければ、おもちゃというコンテンツは縮小の一途をたどる運命に。

必死になったおもちゃはプライドを捨てた。
自らの箱にガムをひとつ入れて、「俺たちはガムのオマケだ!」と言い張った。
主役をお菓子にする事で、彼らは人の減ったおもちゃ屋を脱出。流通のルートを食品に変えた。
そうする事で、おもちゃに興味が無い大人たちの目に留まる、コンビニや、スーパーに紛れ込んだのだ。

コンビニで一人の男性が、その商品を手に取る・・・。
うわーなつかしいな・・・子供の頃この人形持ってたなあ・・・・
「やあ久しぶりキングジョーだよ、懐かしいでしょ?買っみてよ。」
なつかしいね、ひとつ買ってみようかな。

へー・・・最近おもちゃってこんなに動くんだねー。すごいね。
でしょーっ!!おもしろいでしょー!?
そうだねー。

でも僕たち・・・所詮オマケなんだよね。
実は全然本気出してないんだよ。
そうなの?
うんうん!そうそうちょうど良かった!

実は今度、S.H.Figuartsっていうシリーズで「ウルトラセブン」が発売されるんだー。
こっちは、本気出してるからね、僕たちよりもっともっとリアルでもっともっと動くんだよっ!!
へーちょっと興味出てきたよー。おもちゃ屋さん行ってみようかな?

涙ぐましいまでのおもちゃたちの努力。
みずからのおもちゃというプライドを捨て、オマケに成り下がってまでも、食品売り場に紛れ込み、自らのスペックの片鱗をチラ見せしておもちゃ屋へといざなう。
『食玩』・・・彼らはおもちゃというコンテンツの尖兵なのだ。

彼らはきっと思っている。
「僕たちは『大人のおもちゃ』なんですよ!」
と自分をアピールできたらどんなに楽だろうと・・・・。
そんな簡単な一言で自分たちの存在を一瞬で説明できるのに・・・・。
でも僕たちは、大人のおもちゃだ!とアピールすればするほど・・・
なんとなくドンキホーテのカーテンの向こうに置かれてしまうような気がしてちょっと恥ずかしい・・・。
なのでメトロン星人なみにまわりくどい作戦で自分たちをアピールしているのかな。
少子化が進みおもちゃが売れない世の中で、おもちゃたちはその存在をかけ今日も必死で戦っている。
あのショーウインドウのガンダムも、お辞儀をしているのではなく、そんな風になってしまった世の中から目を背けているのかもしれませんね。
独身万歳。←今回はちょっと言いづらい。
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