
2015年、12月15日。
ドラマの舞台になる「エオルゼア」がいったいどんな世界なのか? それを知るためにぴぃさんの旅は続いていました。
ぴぃさんは元々DQXプレイヤーでもあったらしく、オンラインゲーム自体が初めてというわけでもなかったみたいでドンドンとメインクエストを進行。光のドラマ化計画がスタートして数週間、 ぴぃさんも少しずつエオルゼアに馴染んでこられました。

「ブログ では 原作権 が弱い・・・??」
「はい。こんな時代ですからね、ブログをドラマの原作にする事もできなくはないんですが・・・
ブログっていつでも削除できたり、悪意ある第三者が乗っ取って内容を書き換えちゃう可能性もあったりするわけですよ。」
「なるほど・・・・」

「ドラマ化は一般企業を巻き込んで進めていくので そういうややこしい側面を持ったブログを原作として進めるのは 得策ではありません。」
「でもどうすれば・・・」
「ブログの書籍化は必須に なってくるでしょうね。
【光のお父さん】が一冊の「本」になっていれば、
例えそれがブログで発表された作品でも、その本を「原作」とできます。
私の知り合いの出版社に一度声をかけてみますね。」
「あ・・・ありがとうございますっ」

「書籍化・・・」
そうなんだ・・・・ここでまた書籍化の話が出てくるんだ・・・。
マイディーさんの書籍化にはいい思い出が無いから、複雑な心境だろうなぁ・・・。

「巻頭はグラビアにするとか面白いんじゃないですか?
もちろん 冗談ですがww」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」

「あ・・・・・あれ?w」
ぴぃさん・・・マイディーさんにはきっと冗談に聞こえてないですよ・・・・。
人は 「夢」 をみる。
希望・・・ 憧れ・・・
こうなれたらいいな・・・・ こうだったら幸せなのに・・・・ 人は様々な「夢」を想い描く。
そしてその「夢」が「目標」に変わったとき・・・
新しい冒険が始まるのかもしれない・・・・。
この物語は・・・・
「ゲームプレイブログのTVドラマ化」
という、 前人未踏の夢に【挑戦】する・・・
ひとりのゲームブロガーと、
ひとりのプロデューサーの物語である。

「なるほどwww そういう経緯があったんですねw」
「そうなんですよ・・・」
「なので今回のドラマ化も、簡単に了承とはいかないと思いますよ・・・。」

「今回の【光のお父さん】は、物語の原作権はもちろんマイディーさんにありますが、劇中に登場するゲームがFFXIVです。
これをそのままドラマにしようという事になると、もちろんSQEXさんに FFXIVというブランドを使用してドラマを作って良いかという使用許諾 は必ず取らないといけませんね。」
「やっぱり絶対必要になりますよね・・・」

「公認と非公認では作品に大きな差が生まれます。
ゲームを劇中のオリジナルのものに変更するという手もありますよ。」
「劇中のオリジナルゲーム・・・なるほどっ」
「限りなくFFっぽいイメージで作る事は可能でしょう。」

「いや・・・それだとやっぱり成り立ちません…。
オンラインゲームの良さを伝えるには 実在するFFXIVでないと・・・」
「私もそう思います。
ですので私の次のミッションは【SQEXの承認】をとる事なんです。」
「SQEXの・・・承認・・・。」
「いきなりラスボス・・・ですか。」
「SQEXの承認って・・・ドラマでFFXIVを使ってもいいですかって・・・
吉田P/Dに承認してもらうって事ですよね・・・」

「最終的にはそうですね。しかし前回の書籍化の話をお伺いする限り、受付の段階で門前払いされ、吉田P/DどころかFFXIVチームにまで辿り着かない・・・という事も充分考えられます。」
「た・・・辿り着かない場合は・・・!?」

「残念ながら、そこでゲームオーバー・・・。」
「・・・・・・・。」
「FF、ドラクエ、キングダムハーツ・・・これらはSQEXの看板的作品。
それだけ扱いは困難で、受付で撥ねられる可能性はきわめて高い。
最初の城門の突破・・・まずこれが容易では無い・・・。」

「そこで全滅すれば・・・全てが終わり・・・。」
「はい。まさに最初にして最大最強の壁です。」
「最初の受付を通過して、FFXIVチームに辿り着く方法を考えなきゃ・・という事ですね。」

「そうですね。」
「じゃ・・・じゃあ、先に仲間を集めるっていうのはどうですかっ!?」
「仲間?」

「先に俳優さんとか、出資者を抑えてしまって、ほらほら、OKしたらもうすぐ始められますよ!という状態で承認を取りに行くのはどうですかっ?」
「戦いは数だしねっ!」

「大事な承認が取れていない状態で、出資や俳優のスケジュールを抑える事は難しいです。集めた上でやっぱり駄目でした・・・という訳にもいきません。」
「そうですよね・・・。
そこで全滅したらこの話終わっちゃうのか・・・って怖くて・・・」

「気持ちはわかりますよw」
「マイディーさんは何か良い 作戦無いですか?」

「城門の突破でしょ・・・そういうのは昔ながらの作戦があるよ。」
「ほう・・・さすが元営業マン。」

「ロボットアニメではそういう場合、敵警備兵の制服を奪って進入するというのが古来よりの常套手段だね。」
「そういう話じゃなくって!!」

「まあ、バレて戦闘になるのもセットだけどね。」
「ドラマじゃなくて、ニュースに出演しちゃいますよっ!」

「あっ!そう言えばぴぃさんってたしかゲーム会社の人なんですよねっ!?
何かSQEXさんにコネ的なものとかあったりしないんですかっ!?」

「う~ん・・・。たしかに知り合いを辿っていけば、FFXIVのチームにたどりつけるかもしれませんね。」
「おおっ!!」
「まず城門は避けて、コネを辿ってその人アプローチ。
うまく営業をかけて、吉田P/Dのメールアドレスを聞き出す。
そしてメールでドラマ化承認の直談判・・・という作戦は可能ですね。」

「城門は守りが堅いので、城の裏の断崖絶壁をよじ登り天守閣へ侵入。中ボスを倒してラスボスの部屋の鍵を手に入れる。 なんともRPGっぽい作戦ですね!」
「たしかに・・・でもまだ現実的かな?」
「いいですねっ!吉田P/Dまで辿りつければ【光のお父さん】読んでるみたいな事言ってくれてましたしっ!ドラマ化していいよって言ってもらえるかもですねっ!」
「う~ん・・・・。」
「??」
「どうしました?」

「たしかにRPGっぽいけど…大体そういう作戦って・・・
いつも逆効果になって失敗に終わる事多くない?」

「た・・・たしかに漫画とかだと、大体それが罠だったり、何かのミスで逆に捕まってピンチになったりしますけど・・・。
じゃあどういう作戦なら成功するんですか・・・・?」

「ロボットアニメで一番成功する作戦は・・・・
【全戦力を持って正面突破】だよ。」
「いや、そうかもですけどーっ!それが難しいって話で・・・。
それにほらっ! これは・・・リアルの話ですし・・・
無難に根回しというかなんというか・・・」

「たしかに・・・それもそうなんですよ・・・」
「え?」
「プロデューサーという仕事はプロジェクトの全てを把握しておきたいもの。
なので自分のプロジェクトの外堀を埋めるように仕掛けてくる者には警戒したり嫌悪感を抱く場合も多い・・・。
そういった事前の根回しが逆効果という場合もあり、正面から来る方が好かれる場合もありますね。
プロデューサーの性格にもよると思うんですが・・・。

「正面から行くか・・・裏から根回しするか・・・」
「長くこの世界にいるお二人の方がFFXIVチームについてお詳しいと思うのですが・・・どうでしょう?」

「・・・・・。」
「・・・・。」

去年のファンフェスの時の言葉・・・

我々開発チームも、運営チームも色々な事があります。
ただ誰よりも、XIVを好きな皆さんの事が本当に大好きでこのゲームを作り続けてます。

僕ら、これからも一個ずつ今までと同じように・・・皆様とキャッチボールを続けながら・・・
これからも一緒にファイナルファンタジーXIVを作って行きたいと思います。

今回だけじゃなくて・・・これから先もずっと・・・
皆様と一緒に歩めるゲームでありたいと思いますので、どうぞこれからもよろしくお願いします。

ユーザーに向ける「真摯な気持ち」・・・・。 あの時私が感じたのは・・・そんな気持ちだった。
真正面から行ったら、また門前払いで終わりそうで怖いけど・・・
マイディーさん・・・ここは・・・

「下手な小細工せず…正面から真摯に行きましょうか。」
「!!」

「そうですねw 本当にこれが良い企画なら、正面からでも突破できるでしょう。
私も初心にかえり、普通に正面から挑んで見ますね。」

「そうですよ!どんなロボットアニメでも最終回は正面突破で戦うんです!きっと承認は取れますよ!」
「マイディーさん・・・最終回って・・・・」
「まあ、富野作品だと、そこでみんな命果てて全滅ENDだけども・・・・。」
「また不吉な・・・・」

「あとは私に任せてください!」
ぴぃさんは力強く私たちにそう言ってくれた。

結局ぴぃさんは、裏から色々と根回しする作戦を止め、ぴぃさんがSQEXが公式に発表している大代表に電話をかけ、真正面から営業をかける事になりました。
とはいえ・・・不安が無かったわけではありません・・・。
なんたって、世界のファイナルファンタジーがメインになるTVドラマです・・・
それをユーザー発でTVドラマにするなんて・・・とんでもない事です。
また門前払いになってしまったら・・・そう思うと不安だった。
マイディーさんは笑ってたけど・・・ほんとに大丈夫なのかな・・・。
ここで終わったら・・・ぴぃさんとマイディーさんの夢は・・・叶わないんですよ??

そして年があけた2016年1月8日。
この日はぴぃさんがスクエニ本社へと営業に向かう日・・・。
アポは15時から・・・。

「今頃・・・ぴぃさん頑張ってるんですね。」
「電話でアポを取った時、雰囲気は良かったって言ってたよ。」

「ぜひやりましょー!握手!とかならないですかね?」
「さあ・・・でも今回はとりあえず話を聞いてもらって、持ち帰って検討するっていうのが最高のゴールだってぴぃさんが・・・」
「ですよね・・・不安だなぁ」
私たちはじょびハウスでドキドキしながらぴぃさんの報告を待ってました。
そして時計の針が15:40を回った頃・・・・突然ぴぃさんが・・・・
ものすごい勢いでじょびハウスにやってきたのですっ!
え・・・・アポの時間から、まだ数十分しか・・・!!

「マイディーさん!あるさんっ!!」

「ぴ・・・ぴぃさんっ!ちょと早くないですかっ!?」
「な・・・なにかあったんですかっ!?」

「マイディーさん、あるさん・・・
光のお父さんのドラマ化・・・
SQEXの返答は・・・・


「即決ですっっ!!!」

「ええええええええええーーーっ!?」
「そ・・・即決・・・・!?」

2016年、1月8日。
この日、SQEXが光のお父さんのドラマ化推進を承認。
こうして私たちの2016年は幕を明けたのでした。
この時は本当に嬉しかった。真摯な気持ち・・・通じたんだ!!
これは奇跡だっ!!と、マイディーさんと二人、飛び跳ねて喜びました。
そしてこの日、マイディーさんはその素直な気持ちを 日記に記していた。

やったー!これでドラマ化決定かーっ!
・・・・と喜んだのもつかの間、ぴぃさんは私たちに言った。
「まだ決定ではありません。SQEXは推進を承認しただけです。
今の所ドラマ化できる確率は10%ほどです。」

そして、ぴぃさんが語る、SQEX承認即決の思惑と、ドラマ化までの果てしない道のり。
「これは言わば・・・SQEXからの挑戦状みたいなものです。」
果てしなく続く無数の高いハードルと、想像すらしなかった難問の数々。
こ・・・これはさすがに無理では・・・?
次回、光のぴぃさん 第7話
「それは途方も無い戦いの幕開けでしかなかった。」
おたのしみに!
つづく。
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