
私たちが日々遊ぶ世界、オンラインゲーム。
それを題材にした小説、漫画、アニメなども増えつつありますね。
「ソードアートオンライン」、「ログ・ホライズン」「オーバーロード」などなどひとつのブームになりつつあるテーマなのかもしれません。
「サマーウォーズ」も実はそれに近いイメージを持ちますね。
さて、こういったオンラインゲーム系の作品の共通点は、

ある日突然オンラインゲームの世界と、リアル世界が交錯する。
という展開です。
オンラインゲームで遊ぶ人のほとんどが一度は「こうなったらいいのにな・・・」という妄想してしまうシチュエーションが特徴と言えるでしょう。
こういった系列の作品を、今日は「オンラインゲーム文学」と呼び研究してみましょう。

こういったオンラインゲーム文学のおもしろみは大きく3点あるかと思います。
● 主人公がオンラインゲームを遊んでいるという親近感。
● 実際にありそうなリアルなゲーム世界の設定。
● オンラインゲームならではのあるある感。
こういうおもしろみのベースに、主人公のみ「特別な性能が与えられる」というスパイスが加わります。
「俺だけ強い。」「俺だけ詳しい。」「俺だけモテる。」「俺だけ二刀流。」などのスパイス。

これにより、主人公は僕たちが慣れ親しんだオンラインゲームの世界においてヒーロー的立場になる。
そこに「いいなー・・・僕もこんな風になりたいなー」という憧れを抱く。
昔の野球少年が「巨人の星」を読んで星飛馬に憧れた。
昔のサッカー少年が「キャプテン翼」を読んで大空翼に憧れた。
というパターンとそう大きく変わりません。

今も昔も「自分たちと変わらないような人がヒーロー・ヒロインになる。」というプロットは愛されるものです。
その漫画の定番とも言えるプロットに、「オンラインゲーム」という題材を組み合わせるという発見こそが「ヒットの要因」だったと言えるでしょう。
では、その起爆剤となったのが、「ソードアートオンライン」だったのか?
現代オンラインゲーム文学の発展に大きく貢献したのはたしかに「ソードアートオンライン」かと思います。
この作品を見てオンラインゲームを始めました!という人も多いでしょう。
アニメ化により認知度があがり、「オンラインゲーム文学」の世界だけでなく「オンラインゲーム界」にも大きな影響を与えたと言っても良い。
しかし、それが全てのオンラインゲーム文学の始祖なのか?と言われるとそうではありません。

「ソードアートオンライン」のヒットから始まる昨今のオンラインゲーム文学を「現代オンラインゲーム文学」とするならば、その下地になったのが「近代オンラインゲーム文学」も確かにあった。
それが・・・「.hack」という作品です。
架空のオンラインゲーム「TheWorld」を舞台に繰り広げられるオンラインゲーマーのお話。
これはバンダイが2002年に仕掛けた、ゲームを中心とし漫画、アニメと多岐にわたって展開したシリーズですね。
なつかしい!と思う人も多いと思います。
2002年ですから、今から遡る事13年前です。

ストーリーもしっかりとしていて、ヘッドマウントディスプレイを付けて楽しむオンラインゲームなどの設定も夢がありました。
そういった魅力にあふれた作品なのですが・・・
2002年と言えば、FF11がスタートした年。
当時はまだまだ日本で「オンラインゲーム」自体があまり認知されておらず、メガヒットまでは至りませんでした。
つまり・・・時代の先を行きすぎた作品だったのかも知れませんね。
13年前にこれだけのオンラインゲームの世界を表現した・・・のはとてもすごいと言えるでしょう。
しかし・・・実は・・・。もっとすごい作品があるんです。

「ファンタジーもの」「SFもの」、数々のオンラインゲームの世界を渡り歩き、それを運営する謎の組織と戦う3人のオンラインゲーマーのお話。
一人は、主人公の少年、一人はその友達の女子中学生、そしてもう一人はオンラインゲームの世界で知り合った金髪の青年。
その三人が数々のオンラインゲームにダイブし、謎の運営「D」の正体を探る。
やがて三人の追う謎は深まり、さらにはリアル社会にまで影響を及ぼし始める。
そのプロットは現代オンラインゲーム文学に通ずるものがありますね。
そんなワクワクするようなストーリーを展開する作品・・・
それが矢野健太郎著・・・「ネットワーク戦士」という漫画です!
この漫画の何がすごいのか・・・それは・・・・

今から29年前・・・「1986年」の作品なんですっ・・!!
もはや・・・古典オンラインゲーム文学を通り越して・・・歴史的 オーパーツですよねっ!!
1986年はどんな年だったか調べてみると、オンラインゲームはおろか、インターネットすらまったく一般に普及してません。
その前身となる「パソコン通信」をごく少数の人が触れているくらい・・・。
それどころか、やっとファミコンで「ドラゴンクエスト」が発売され「RPG」というジャンルが始まろうとしていた時代。
そんな時代に「オンラインゲームとリアルが交錯するストーリー」を展開していたのが、ネットワーク戦士という作品です!
すごい!!矢野健太郎すごいっ!!
ただ、年中スーツを着てシャアのマネをしているだけの人かと思ってた!(アオイホノオ知識)
そんなすごい歴史的書物「ネットワーク戦士」は現在絶版。
読みたくても、通常の本屋さんでは手に入りません。
アマゾンでもかなり高額でやりとり

されていませんでした。
確実に時代の先取りをしすぎた作品ですが、今から30年近く前から想像されていたという事実だけでもなんだかワクワクしてきますね。

しかし、30年前は時代を先取りしすぎてヒットせず、夢でしかなかったような世界が、今こうして現実のものとなってきている。
ソードアートオンラインやログホライズン、オーバーロードがヒットしている現在。
それは、オンラインゲームというものが、少しずつ認知を高めてきた娯楽である事を証明しているのではないでしょうか?
これからの、オンラインゲームの世界に幸あれ。
おまけ

ファミコンロッキーも読めちゃう。
つづく。
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