
人は言葉を話す事で自分の思っている事を表現する。
イケメンが女の子の目を見て「好きです!」と言えば、きっと言われた女の子は喜ぶだろう。
この人は私に好意をもってくれている。嬉しい。ウキウキな気分になってきっと明日の仕事は頑張るだろう。
言葉の力というのは、人を幸せにも不幸にもする事ができる。そういうものだ。
しかし・・・・。
イケメンは本当にその女の子の事が好きだったのだろうか?
この「好きです!」という言葉には「重要な情報」が抜け落ちており、女の子はそれを自分勝手に補完している。
オンラインゲームはチャットを使い、文章で会話する。
飛び交うチャットの言葉の中に・・・この「重要な情報」が含まれる事は・・・・少ない。

光のお父さん計画・・・・。
それは、60歳を越えるゲーム好きの父にFF14をプレイしてもらい、自分は正体を隠してフレンド登録。
共に冒険を続け、いつの日か自分が実の息子である事を打ち明けるという壮大な親孝行計画である。
より大きな感動を掴むため、大迷宮バハムート邂逅編に挑み始めた光のお父さん。
マイディーやじょびネッツア、ARISEのメンバーと共に、大迷宮へと挑む。
今までのダンジョンとは違う強力な敵と遭遇するも、役割を決め、これを無事突破。
大迷宮邂逅編は全5層、残る階層は4!
その階段を登りきった先にある真実を光のお父さんは・・・まだ知らない。

高圧電流への沈黙攻撃、スライムの運搬・・・・。
父はそれをちゃんとこなした・・・・。
こうもやすやすと突破されるとは・・・・。

ふふふ・・・・しかし・・・。
次なる第二層はどうかな・・・・・。
そう・・・・装備はギリギリのレベル・・・超える力も無い・・・
そんなお前たちに・・・
あの「アラガンロット」が破れるかな?
破れまいてっ!!

あーはっはっはっはっはっ!!
そして・・・・1層突破から1週間が過ぎ・・・週に一度の大迷宮の日がやってきた・・・。

大迷宮第二層の下限アイテムレベルは80。(当時)
それに合わせ、装備を見直す。22時の定刻になり、パーティーが組まれ始める。

この日の夕食時、父は「アラガンロット」の話をしていた。
なるほど、予習はしてるんだ。でも「アラガンロット」は父一人が理解していても意味が無い。
全員がそれを知り、全員が理解するまでクリアはできないだろう。2層は長い戦いになりそうだ・・・。
さあ・・・はじめましょうか!!
大迷宮バハムート第二層!!
コンテンツ・・・・ファインド!!

どんどん降りるエレベーターが僕たちを運ぶ・・・。
その深さ・・・

地下・・・・912ヤルム!!

無論今回もARISEの皆さんは、予習をしていない。僕たちも攻略方法を話すことは無い。
予備知識無しでの初見アタックだ。
二層に突入した僕らの足元に一本のラインが引かれている・・・・。

紫のボスライン!!
FF14においてこの紫のラインは、この先にボスがいますよ!という意味。
早速この二層の主のおでましか・・・・。
いったいどんな敵が待ち受けているのか・・・・・!?
1層の蛇を上回る異形のモンスターが現れる!!
そしてその姿を目の当たりにし・・・
光の戦士たちは言葉を失う・・・・

しばしの沈黙の後、口火を切ったのは室町きりんだった。


室町きりん 「ボ~ル♪」
そう・・・まぎれもなくボールである・・・・。
360度どこから見てもボールだ。

あの1層の入り口で僕たち8人を苦しめた、あのボールだ。
またあいつが僕達の前に立ちふさがっている・・・・。
見た感じが同じなので、1層のボールと似たような攻撃をしてくる・・・そう考えるのが妥当。
さて・・・ARISEはこれをどう分析するかなと思った瞬間だった。
今まで沈黙を保っていたあの男が口を開いた!

・・・・・・・・か・・・・

「か・・・・かっこいい・・・・。」
「おおーっ!」
「頼もしいですっ!」
みんなから絶賛される光のお父さん・・・!!
黄色い声援を浴びながらも微動だにせず、ただひたすら敵をにらみつけている・・・・。

み・・・みんな・・・一見かっこいい台詞に聞こえたやろ・・・・?
それ・・・ちゃうで・・・・

「初見の遇数回」っていうのは・・・こういうことやでっっ!!
何気に「失敗しにくい位置」をしれっと持ってったんやでっ!!!
さ・・・さすがやで・・・。
まあ・・・とりあえずはじめようか・・・・。
きりんセット・・・!!
あんど・・・・
ゴー!!

にゃんにゃんぷ~♪

ここで、大迷宮第二層について説明しよう。
この第二層には7つの部屋がある。

中央の部屋に大ボスが待ち構えており、各部屋の小ボスを倒しつつ進む。
ただし、倒した小ボスからデータが送られ、打撃に強くなったり魔法に強くなったりと大ボスを強化してしまうのだ。
つまり、小ボスを倒せば倒すほど大ボスが強くなる。また、最初の紫のラインを越えた段階からカウントダウンが始まり、カウントが0になると全体攻撃を連続で打ち出してくる。下限アイテムレベルギリギリのこのパーティーは全滅。
その為、二層を攻略するにはいかに最短のルート、最短時間で大ボスにたどり着くかが勝負の分かれ道になる。
また、倒す小ボスの種類によって大ボスに付く体制が違うのでパーティーの構成によって進むルートも変ってくる。

そんな凝った仕掛けがあるにもかかわらず・・・・・。
この日ARISEが選択したルートは偶然にも最適なものだった。
カウントダウンが恐怖を与え、おのずと最短ルートを通るようになったのかもしれない・・・。
そしてたどり着く・・・大ボス部屋・・・。

各部屋のボールを倒し・・・ついにその姿を現す大ボス・・・!!
そしてその姿を目の当たりにし・・・
光の戦士たちは言葉を失う・・・・
しばしの沈黙の後、口火を切ったのは室町きりんだった。


室町きりん 「また、ボ~ル♪」
大ボスといえど、所詮はやや大きいボールでしかない。
結局この部屋にはこのボール型のボスしかいない・・・・。
なんだよ、手抜きかよ!と思うかもしれないが・・・・
最新のストーリーまで進めていくとそれがなぜかがなんとなくわかってしまうのもFF14のすごいとこだ・・・。

とりあえずやっちまえ!
小ボスを倒し調子付く8人!!勢いはあるっ!

順調にボスの体力を削り始める。
時折高圧電流も流されるが、それもきちんととまっている。
攻撃に当たることも無い・・・・。
あれ?これいけるんじゃないの?

このまま押せ押せで行けるんじゃないの?
初見メンバーはこの時そう思ったに違いない。
僕は、目を尖らせて全員のステータスを確認し バフの状態を見る・・・・。
そこにひとつのマークが現れる・・・。

来た。
それは知らず知らずの内に持っている。

必死に戦っていると気づかない小さな小さな変化。

その小さなマークは、たったひとつ・・・。
人から人へと気づかれること無く・・・渡り歩く・・・・。
この小さな変化・・・これこそが・・・。
いずれ全員の命を一瞬で奪うことになる・・・・

「アラガンロット」
初めてこれを受けたとき、なぜ死んだのか理解ができない。
いきなり、なんの予兆も無く何かが爆発したように見える。
呆然とする初見メンバー達。

スタート地点に戻り、なぜ全滅したのかを考える。
このアラガンロットの謎を解かない限り、この二層を下限アイテムレベルで挑戦する我々の突破は難しい。
しかしこの日はこの全滅で時間切れ、あえなく解散となった。

翌週の挑戦で、少しずつARISEのメンバーたちが「アラガンロット」の存在に気づき始める。
● アラガンロットは大爆発を起こすと消える。つまりこれが原因で全滅している。
● アラガンロットを持っている人は別の誰かに近づくとアラガンロットを移すことができる。
● 移した後は、抗体が付きしばらくアラガンロットを受け取ることができない。
そういった言葉飛び交い始める。

そしてこれがアラガンロットの正体だ。
これを攻略するには・・・

アラガンロットを10秒間保持してから次の人に回すというリレーをする必要がある。
このリレーが途切れると15秒というタイムリミットがやってきてドカン!だ。
こう書くと、「うわっ!難しい!!」と思うかもしれない。
でも実は②の人は次に渡す③の人がどこにいるかを見ておく。自分にアラガンロットが回ってきたら10数えて③の人に近づくだけなので、個人がする行動自体は難しくは無い。
ではなぜ、「予習無しの大迷宮2層」が難しいと言われているのか?

それはこの情報や攻略プランを全て「言葉」で伝えあい、
8人全員がこれを理解する必要があるからだ。
エオルゼアにホワイトボードは無い。
ゆえに発見した情報や、それに対する対処の提案は全てチャットの文章で伝え合う事になる。
そして・・・ここでチャット会話の大きな問題が浮き彫りになってくる。
その問題点を父が夕食時に語っていた。

僕たちは日々チャットで言葉を交わし相手に物事を伝えているが、それは文章というよりも、普段の会話の感覚で文章を入力している事が多い。
その為、正確に物事を伝えるために必要不可欠な「重要な情報」である「主語」が抜け落ちてる事が多い。
誰かに「好きです!」と言われても、主語が無いと誰が誰を好きなのかはっきりしない。
リアル社会では雰囲気やそれまでの流れ等から伝えられてない「主語」を受け手が補完しその精度もある程度高い。
しかし、オンラインゲームの世界は情報が限られる為、補完の精度が低い。
それゆえに思惑がきちんと相手に伝わらず、誤解を生む事が多いのか。

主語が抜け落ちてしまうと・・・・

たしかに何の話をしているのかわからなくなる。
ログを一瞬でも見落としたり、誤って違う主語を自分で補完したりすると・・・もうわからない。
そして・・・

当事者達にしかわからない会話になり、会話についてこれない人が出てくる。
チャットだけで情報をやり取りする場合、実は「きちんと主語を伝えること」で、はたから見ても何の会話をしているのかわかりやすく、情報の共有がしやすい。
とはいえ、物事を考えながら話すテンポもある。いちいち主語を意識して入力したりという手間は会話のテンポを乱し思考も鈍るだろう。
そこで・・・・。

「つまり、②の人はアラガンロットを渡されたら、10を数えてから、③の人に近づきアラガンロットを渡す事だけを考えればいいんだね!」
考える人と、それを伝える人に分かれればいいのか。
わかる人が解説し、それをわからない人にまとめてわかりやすく伝える。
誰かが「解説者」に徹すればいいのか!
僕は積極的に会話に参加し、今話し合ってることを意識的にまとめて要約し復唱する。を繰り返した。

少しずつどうすればいいのかをみんなが理解し始め、アラガンロットを回す順番がわりふられていく。
①の人は②の人へ、③の人は④の人へすぐに渡す相手が認識できるように、番号をマーキングし共有していく。
フォーメーションや、立ち居地もみんなで決め、理想の体制を生み出す。
これでやっと、全員が何をどう動けばいいかを理解できた。

美しいフォーメーションを維持して大ボスに攻撃を仕掛ける。
だがしかし・・・このルールを完全に理解したうえで・・・

高圧電流を止めたり・・・・。

執拗な範囲攻撃を避けたり・・・・。
過酷な戦いだ・・・・。

意思の疎通がしっかりとできるようになったチームは強い。
行動にまとまりが出てくる。そして回数を重ねるごとに戦いになれ、余裕が生まれてくる。

余裕が生まれてくると、今度は「助け合い」が生まれてくる。
②の人がアラガンロットに気づいてないと、③の人から近づいていきアラガンロットをもらったり。
③の人が倒れていると、④の人が②の人にもらいにいったり・・・。
全体的なチームワークが少しずつ整い・・・・
少しずつ、みんなが強くなっていく。

画面上どこにも表示されないステータス
「チームとしてのレベル」が上がっていくのだ。

チームは紫の線を越えるたびに強くなっていく。

伝える術を学んでいく。

助け合う術を学んでいく。
そしてその「チームとしてのレベル」が一定数に達したとき・・・。


次の階層への扉が開かれるのだ。
それが、大迷宮なんです・・・・お父さん。

そしてボスを倒し次の扉を開く時、それこそがみんなで強くなった事を一緒に喜べる瞬間でもあるのです。

その喜びを重ねていき、いつか5層に待つツインタニアを倒して・・・最高の喜びを得ましょう。
僕も、あなたも、みんなと一緒に。

光のお父さん大迷宮2層を無事突破。
まだまだ2層、これからの戦いはもっと厳しくなっていきますよ、お父さん。
でも大丈夫です。
このチームはいいチームです。きっと最後まで戦えますよ。
そして、大迷宮第3層への扉が開く・・・
大迷宮邂逅編3層・・・・
なぜ存在するのか・・・
他の大迷宮は4層構造なのに、なぜ邂逅編だけ5層構造なのか・・・・

次回・・・
ファイナルファンタジー14における最大の謎
大迷宮バハムート「邂逅編3層」に挑む!!
つづく。
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