
君は、紳士戦隊ジェントルメンを知っているか?
それはエオルゼアに住む大きなちびっこたちを喜ばせるために自分たちでヒーローショーを行い、サーバーからサーバーへ旅巡業を重ねているというプレイヤーさんである。
たまり場でだらだらと話していると、唐突に始まるヒーローショー。
長身のエレゼンモンクのヒーロー、ジェントルイエロー。
かわいらしいララフェルのサポートロボ、みむむ。
この二人がたまり場にいる人達を巻き込んで行われるヒーローショーはたまり場のひとつの名物となっていた。

それは数ヶ月前のある日の事だった。
たまり場にいる僕を訪ねて一人のララフェルがやってきた。
その子からとある相談を持ちかけられる。
その子の話は、最初よくわからなかった。私は、違うサーバーでヒーローをやっている。
インスタンスダンジョンへ行き、マクロを使ってヒーローショーを行うのだ。
しかし、そのメンバーの一人が引退を考えていて最後にそのメンバーをつれてこのサーバーに移動をしてくるので
最後にマイディーさんに見てほしい。

僕はそのお話を断ることにした。
サーバー移動するという事は、そこには現金というお金がかかるということ。
お金をかけて、来られるとなるとこちらもそれ相応のリアクションをしないと申し訳ないし、その為に準備する余裕が無かったからだ。
でも、その子は一生懸命になって僕にそのヒーローショーのおもしろさを伝えようとした。
その熱意に押され、僕はひとつの提案をした。
それなら、僕に見せるのではなく、このたまり場の人たちみんなに見せてあげればどうか?
幸いここには毎日たくさんの人が来る、その人たちみんなにそのヒーローショーを見せてあげる方が楽しめるのではないかと。そしてグングニルでみんなに見てもらいそれが楽しいと思えたら引退はやめて、いろんなサーバーを巡業するのも楽しいのではないか?

それから数日後、「紳士戦隊 ジェントルメン」がグングニルにやってきた。
長身のエレゼンモンクのヒーロー、ジェントルイエロー。
かわいらしいララフェルのサポートロボ、みむむ。
え?w 戦隊物って聞いてたのに二人しかいないのっw
みむむさんは、サポートロボらしいので、実質ヒーローは黄色枠のイエローさんだけなの!?

そしてこのグングニルでジェントルマンショーが始まった。
いつもたまり場で会話をしていると、ふいにショーが始まってる。
今からやりまーす!ではなく、全てアドリブでその時の会話に絡んでショーが始まる。
それがとても楽しかった。
一緒にIDに行くと、イエローさんの必殺技マクロがさえ、かっこいい(?)技の解説やアクションを絡めながら侵攻していく。
その台詞回しマクロの完成度の高さは笑うというより感動に近かったw

みんなもそのヒーローショーが好きになったようだった。
普段リアル都合でイエローさんはログインがあまりできないらしく、たまり場のメンバーとの交流は主にみむむさんが行っていた。

みむむも、たまり場のメンバーととても馴染み、ショー以外でも普通にみんなと遊ぶようになってきた。
みむむとイエローさんは昔からの友達らしく、とても仲が良い。
引退を考えていたというイエローさんも、ログイン率が増えたと喜んでいた。

そして月日が流れた。
たまり場で起こるヒーローショーはもうあって当たり前のものになり、みむむがたまり場でみんなと雑談する光景も当たり前になってきたころ、みむむはまた悩み始めた。
イエローさんのモチベーションも取り戻したので、そろそろ次のサーバーに行こうと思うけど、このサーバーに愛着がわきすぎたと。
イエローさんと一緒にこのヒーローショーの面白さをたくさんの人に伝えたい。その為に違うサーバへ旅立ちたい。
でもこのサーバーにも愛着がある・・・どうしたものかと。

エオルゼアでは無数のプレイヤーが生活している。
そのひとりひとりにその人だけの、ストーリーができていく。
ファイナルファンタジー14のストーリーはプレイヤーの数だけ存在する。
みむむのストーリーは、ここで大きな局面を迎えたのだろう。
このサーバーに残りますか?
⇒ はい
いいえ
新たな展開への選択肢は無数に存在し、リストの中から選ぶのではない。
自分が決めて行動するのだ。
そして、僕の元にみむむから一通のメールが来た。

「紳士戦隊ジェントルメン グングニル最終公演のお知らせ」
そうか・・・みむむ・・・。
悩んだ末にこのサーバーから旅立つことを選んだんだね。
ジェントルマンショーが見れなくなるのも寂しいけど、その面白さたくさんの人に伝えたいという気持ちは立派だ。
最終公演!喜んで見せてもらうよ!

最終公演を一目見ようとたくさんの人がたまり場へとやってきた。
そして公園開始時間になり、シナリオがスタートする。
内容は、ジェントルメンが次の世界に旅立つために必要な装置のパーツが破損して旅立てない!
修理に必要な3種のパーツをジェントルイエローと一緒に集めよ!
イフリートを倒し「火のかけら」を!
ガルーダを倒し「風のかけら」を!
そしてタイタンを倒し「土のかけら」を!
みむむはこんな時の為に、たまり場で多くの光の戦士を観察し、ジェントルメンになれる可能性、「ジェントルパワー」を持っている者を選定してたらしい!
そして僕もそのメンバーに選ばれた!僕にも眠ってたんだ!ジェントルパワー!!

まずはイフリートかららしい!!
行くぞ!「ジェントルチェンジャー」!
チェンジ!ジェントル!
コンテンツファインダーがシャキる。
みんなから頑張ってと声援を受けならが突入!!

戦闘前に、ジェントルイエローから衝撃の真実があかされる!
「皆さんに眠るジェントルパワーが今、目覚めました!」
●●さんは、ジェントルサンドリヨン!
■■さんは、ジェントルイリデセント!
▲▲さんは、ジェントルシニヨン!
次々とPTメンバーにジェントルネームが与えられていく。
MaidyMaidyさんは、ジェントルユーゲント!

イ・・・イエス!ジェントル!
そうか・・・戦隊なのに・・・イエロー一人だと思ってた・・・・。
でもひとりじゃなかったんだ・・・そうか・・・
いつのまにか、僕達もジェントルメンだったんだ!!

戦いの中終始流れるイエローの叫び。

盛り上がる演出。
熱い戦い。
でも僕は・・・

この戦いが終われば、みむむが旅立っていく。
その事で頭がいっぱいだった。

さよならなんだ・・・ジェントルメン・・・。
イフリートとガルーダを倒した後、全員集合。

次のタイタン戦の後、二人はこのサーバーからいなくなり、次のサーバーへと巡業することが伝えられた。
寂しくはなるが、みんな二人を応援する気持ちは同じだ。
最後にみんなでSSを撮ることになった。
SSを撮り終え、いよいよ最後のタイタン戦。

これを倒し、いよいよ最後のパーツがそろい、紳士戦隊ジェントルメンは旅立つことになった。

別れの時が来た。
みむむ・・・イエローさん・・・。
新しいサーバーでもがんばってね。

このがけを飛び降り、違うサーバーへ行くという。
ピンチのときは呼んでくれ!
いつでも俺達あなた達、みんなもふくめて!
紳士戦隊ジェントルメンをよんでくれ!!!
とーーーーう!
とうっ!

着地と同時にログアウト。
二人は行ってしまった。
フレンドリストの名前が、冷たい「delete」に変わる。
ありがとう、ジェントルメン。
さようなら、ジェントルメン。

君達と過ごした日々はわすれはしない。

だから、僕達のことも忘れないでね、ジェントルメン。
二人がいなくなったたまり場。
少しその余韻や思い出にひたっていると・・・
とことことひとりのララフェルがこちらにやってきた。

まったく・・・・w
オンラインゲームは顔を隠しても、頭の上に名前が出るんだよw
今日から新しい仲間がたまり場に増えた。

名前は みむむ。
ジェントルメンのみむむは、サブキャラだったらしくメインキャラをグングニルに移したそうだ。
なんとまあ、大掛かりな演出だw またよろしくねw

エオルゼアでは無数のプレイヤーが生活している。
そのひとりひとりにその人だけの、ストーリーができていく。
ファイナルファンタジー14のストーリーはプレイヤーの数だけ存在する。
紳士戦隊ジェントルメン。
そんな彼らのメインストーリーは、誰かを楽しませたいという部分なのかもしれない。
もちろん、自分達も楽しんでいるだろうが、それはとても暖かい。
彼らは今日もどこかのサーバーで頑張っている。
見かけたら暖かい言葉をかけてあげてほしい。
誰かを喜ばせたい。その気持ちで今日もがんばっているのだろうから。

君は人のためにジェントルメンになれるか
つづく。
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