
妹を呼びに行かねば!!
妹・・・なんていい響きなんだ!!
自分には女きょうだいがいない。
だから昔から姉や妹がいる友達がどことなく羨ましかった。

ドラクエ10では、兄弟(姉妹)がつくれる。
そのシステムにちょっと感動した。
いろいろ悩んだ末に「妹」を作ることにした。

妹の名前は「はなちゃん」。
このなれない世界で唯一の肉親。大切にしないといけない・・・。

かわいいかわいい妹。この妹の言う事はなんでも聞いてあげよう。
そう思ったはずなのに・・・。

妹が錬金術の実験に失敗し、この村から逃亡してもうどれくらいの時が過ぎたのだろう。
私は逃亡するほど落ち込んだ妹の気持ちをわかってやるどころか・・・

日々戦いに明け暮れ、この村の絶対王にまでなってしまった。
今更、会いに行ったところで許してくれるだろうか・・・。
鬼になった私を、今でも姉と呼んでくれるだろうか・・・・。
しかしいかなければ・・・
ばつが悪くてもいい。
何故すぐ来てくれなかったの!
・・・と最愛の妹からののしられるかもしれない。
二度と口を聞いてくれないかもしれない・・・。
でも・・・・でもっ!
私はそれでも妹に会いに行かなければならないっ!!

行かなければ・・・私の物語は始まらないんだ・・!!
システム的に。

ごめんね・・・ごめんね・・・はなちゃん・・・。

お姉ちゃんは戦いの中でとても大切なことを忘れていたね・・・。
お姉ちゃんが絶対王と呼ばれるまで強くなったのは・・・

この世界で一番大切な・・・はなちゃんに逢いに行く為だったのにね・・・。
いまいくね・・・。



オニオーンが あらわれた!

お前がこのイベントのボスだな・・・オニオーン!!
お前がどんな強さかは知らない・・・。
しかし、我が道を遮ろうとしたその魂。万死に値する。
我は、このエテーネの最強生命体!
無知なる者よ・・・道をあけよ・・・。
我はエテーネの絶対王なるぞ!!

道をあけぬと申すなら・・・貴様は見ることになるのだ・・・
このエテーネ最強の呪われた究極魔法を・・・!!

凍てつくがよい・・・・。
我が魂に眠る氷の精霊王よ・・・絶対王の名において汝に命令する。
汝の力を我が力とし、この者を討つ刃となれ・・・!!

絶対究極魔法・・・!!

「ヒャド!」


おろかな奴よ・・・・。

私の逆鱗に触れ・・・絶対王の最強魔法喰らうとは・・・。
ヒャド・・・恐ろしい呪文よ・・・。
ひとたび唱えれば・・・育みの森の生命体はその命を奪うことができる・・・。
使い方を誤ればこの世界を氷付けにしてしまうほどの究極魔法よ・・・。

いよいよ妹、はなちゃんとの再会だ・・・・。
こんな姉を・・・己の欲望のままに絶対の力をふるい、弱き者の未来まで奪う姉を・・・
許してくれるの? こころやさしい・・・妹よ・・・。

・・・・・いた・・・!!
はなちゃん・・・・・!! はなちゃん・・・・!!! 逢いたかったっ!!
ずっと・・・ずっと・・・ はなちゃん!!

はなちゃん!?

な・・・なにをしてるの・・・?
お姉ちゃんだよ・・・!!お姉ちゃん迎えに来たよ・・・!!
その箱はなに?? 邪悪な力を感じる・・・・!!
はなちゃん・・・!! その箱を開けてはだめっ・・!!

絶対とんでもないことが起こるから・・・!!
あけちゃだめーーーっ!!
は・・・はなちゃーーーーんっ!

私がもっと早く妹に会っていれば・・・。
こんなことにならなかったのかもしれない・・・・。
もっとはやく・・・逢いに来ていれば・・・・。
こんなとんでもないことに・・・ならなかったかもしれない・・・・。
しかし後悔してもはじまらない・・・・
はなちゃんが・・・開けてしまった箱・・・
その中から飛び出してきたものは・・・
それは絶対王である私を・・・奈落の底まで突き落とす・・・
禍々しい姿をしていた・・・。


それなりに・・・絶対王としての・・・プライドとかあるねん・・・。

結構、今の見た目・・・かっこいいとおもってるねん・・・。
あかんよ・・・あかん!! あかんでっ!!
悪かった・・・!! おねーちゃんが悪かった!!
すぐ来たらいいのに!あほやな・・・おねーちゃん!!
許して・・・許して・・・

妹から感じる絶対王に対する絶対的な威圧感。
あどけない笑顔の裏に見える・・・・。
「絶対王かなんか知らんけど、お前はこれでもかぶっとけ」 という・・・。
圧倒的圧力。
話をはぐらかさなくては・・・

私は、必死でアバ様が呼んでるから村に帰らなければいけないと妹に説明した。
必死で・・・。

妹は自分の錬金術が必要なときがきたんだ!と上機嫌になった。
完全に話は禍々しい帽子の話から、アバ様の話題にきりかわった・・・。
さあ、戻ろう全力で!! 帽子の話はうやむやにしたままでっ!!

人生を生きていくうえで・・・何度も何度もいろいろな物を天秤にかけ・・・比べていかなければならない。
その上で選択したものを信じ、人は生きていく。
その選択は時に人生そのものを大きくゆがませることもある。
間違ってはいけない・・・天秤ではかるときは・・・細心の注意でどちらが重要かを見極めていかなければわからない。
その結果は・・・すぐにわからないのも・・・難しいところである。

この帽子が待たせた事への妹からの怒りなのであれば、私はそれを受け入れなくてはならない。
今まで「培ってきたもの」、「守ってきたもの」、それと「妹への申し訳ないという気持ち」を天秤にかけその結果を受け入れなければならない。
私はエテーネ村の絶対王である前に・・・はなちゃんの姉なのだから。
ぼうけんのしょ
いもうとにあうことができた!でもへんなぼうしをかぶれといわれ、とりあえずかぶった。
アバさまのところにもどってアバさまのはなしをきこう。
そして、あるていどじかんがたったら、ひっそりとぼうしをぬごうとおもう。
とりあえず、エテーネのむらにかえろう!
いそがねば!
つづく。
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