
9月の末・・・僕は実家へと帰っていた。
仕事の中、少し時間ができたので、夕食だけ実家で取って帰る予定だ。
食卓に座る僕、父、母・・・。
今日の夕食・・・・「カレーライス」・・・。
光のお父さん計画が始まり、実家に帰る事が多くなって何度か帰ってますが・・・
3回連続カレーなんすけど・・・・お母さん・・・・。
今日実家に帰った主な理由は、光のお父さんのPS4の設定を「かな入力」に変えてあげること。
コメントで設定方法を教えてもらったので、それを実行しに来たついでに、最近の近況でも聞いてみようという魂胆だ。

父はカレーを食べながら、冒険譚を語り始める・・・。
「ぜぜるさんが、すごく優しくしてくれる・・・。」
ぜぜるさん・・・・ぜぜるこ・・・るこちーか・・・。
「あるてみさんが、ピンクの髪でかわいらしい。」
あるてみさん・・・・あるてみしあ・・・・あるちゃんか・・・・。
おいおい・・・お父さん・・・大事な人を忘れてませんか・・・・?
ほらほら・・・金髪のミコッテの・・・・
「他にはおらんの・・・・?」
あっ・・・・!やばいっ!! 思わず聞いてしまった・・・!!
カレーが美味しいので油断してしまった・・・・!!
「あとはなぁ・・・・これ・・・」
父は両手を頭の上に当てぴょこぴょこと動かして見せた・・・。
なんや・・・? ミコッテか・・・・?
「あのな・・・えっとな・・・えー・・・・・」
「???」
「・・・・・猫女!!」

なんでやろう・・・・。
結構頑張って助けてきたのに・・・・な。
なんで 水木しげるの漫画に出てくるような妖怪みたいに思われてるのやろう・・・・。
なんでや・・・くそぅ・・・・。

光のお父さん計画・・・・。
それは、60歳を越えるゲーム好きの父にFF14をプレイしてもらい、自分は正体を隠してフレンド登録。
共に冒険を続け、いつの日か自分が実の息子である事を打ち明けるという壮大な親孝行計画である。
息子にFF14を薦められ、いやいや 始めた光のお父さんであったが、この世界の人達との触れ合いを感じ、どんどんとストーリーを進めていく。
蛮神イフリートを倒した光のお父さんの次の目標は蛮神タイタン。
果たして・・・光のお父さんはタイタンを倒す事ができるのか・・・・?

「光のお父さん、ハウケタ終了しました!」
「光のお父さん、ブレフロ終了です。」
順調だ・・・。
かな入力が可能になった事で、光のお父さんとの意思疎通もやりやすくなった。
LS:一撃学園内で希望者を募り、初心者を支援するLSという設定で作ったLSにお父さんを入れてあげたのも功を奏している。これによりさらに光のお父さんは、みんなとの距離を縮められるだろう。
そしてLV30を越えた光のお父さんは、いよいよ「ジョブ」を習得するまで成長した。

光のお父さんは、弓術士を進めてきたので「吟遊詩人」のジョブにつく事ができる。
詩人になる事で攻撃力は上がり、さらに音楽を演奏する事で仲間の助けになるバフをつける事ができるようになる。
だが、吟遊詩人になる為には、「格闘士」のレベルを 15 まで上げる必要がある。

格闘士にジョブチェンジする為に早速ウルダハへとやってきた光のお父さん。
格闘ギルドに話を通し、ウェザードホラをもらって装備すれば、格闘士スタートである。
嬉しそうにホラを装備するお父さん・・・・。
あっ!そうだ・・・!!ちょっと待っ・・・
バシュッ!!

ホラを装備すると格闘士としてレベル1に戻ってしまう為、
弓術士の装備が強制的に解除され素っ裸になってしまう・・・。
街中で急遽パンツいっちょになってしまった、光のお父さん!!
まずい・・・恥ずかしがり屋のお父さんは、これを苦にログアウトして引退してしまうかもしれないっ!!
やばいやばいやばいっ!!
「何か服を着ましょう!所持品のある・・・」



成長したなあ・・・・・。
かな入力ができるようになったので、チャットも早くなってきた。
伸ばし棒が「ー」では無く「~」でちょっと、きりんちゃんっぽくなってきたけど・・・・。
なにはともあれ・・・今日から光のお父さんは、自分と同じ「格闘士」!
これから、LV15になるまで色々教えてあげられるかな・・・・
- 翌日 -
「光のお父さん、格闘LV15到達です!」

マイディー 「はやっ!!」
これは・・・もうレベリングのコツを掴んだのか・・・・。
光のお父さんは無事「吟遊詩人」へとジョブチェンジ!
もっと時間がかかると思ってた・・・ もっと苦労すると思ってた・・・・

これが・・・齢60を越えた光の戦士・・・の力・・・・。
なんか・・・すごいな・・・。
ブレフロも突破しているし・・・じゃあもうすぐ・・・・
蛮神タイタンとの戦いか!
そしてその日はあっという間に訪れた・・・・。

きたっ!!
ウー!ウー!ウー!

じょびネッツア緊急支援体制!!
タンク課1名、ヒーラー課1名!緊急出動だ!!
「タンク課、ヒーラー課共に誰もログインしていません!」
土曜の昼間・・・・もっともログインが少ないこの時間帯を突いてきたか・・・・!
仕方ない・・・
「るーしー!DPSを!まっきーな・・・ごめん!ヒーラーをお願い!」

タンクは・・・・・

僕がやるしかない!
ずっとモンク一筋で4年間・・・・できるかどうかじゃなくて・・・やってあげないと!!



うん・・・怖いね・・・。
僕も怖い・・・。 弱タイタンなんて、いつもなら余裕だけど・・・。
今日は初タンクだしね・・・。
それにこの戦いに失敗したら・・・もうFF14は難しい。自分には無理って思われてしまうかもしれない。
そう考えると・・・怖い。・・・僕ががんばらないとね。
落ち着いていこう・・・・落ち着いて・・・

マイディー・・・・・セット・・・

じゃきんっ!!

ゴー!!

タイタン戦。
それは、光の戦士たちに大きなトラウマを与える最初の戦い。
最初のタイタン戦は
盾役(タンク) 1名 攻撃役(DPS) 2名 回復役(ヒーラー) 1名 の計4名で挑む。
このうち1名でも欠けてしまうと攻略は難しい。
最初のタイタンでの一番の恐怖・・・・
それが・・・・

タイタンの放つ・・・「ランドスライド」
一定の間隔でタイタンはランダムの方向を指定し、ランドスライドを放ってくる。
逃げ遅れたプレイヤーは・・・。


たった一撃で・・・・

蘇生魔法の届かない谷底へと落とされる。
以降、クリアするか全滅するまで復活不可。
そして味わう・・・・
「自分のせいでみんながクリアできない。」 という苦痛を。
1回の自分のミスで、終わってしまう・・・。
そう・・・FF14のボス戦が大縄跳びと呼ばれる理由はここにある。
それを始めて味わうのがこのタイタン戦だ。

しかし・・・タンクは不慣れとはいえ・・・今日は、るーしーとまっきーながいる。
光のお父さんが落ちてもクリアは容易だ。
未クリア者が死んだままクリアする。
この世界でそれは「出荷」と呼ばれている。

光のお父さんに「出荷」はさせない。

みんなとの繋がりの喜びを知った光のお父さん・・・・。

この世界にもうひとつの大きな「喜び」があるのを・・・
お父さんはまだ知らないでしょ?
何度も何度も倒れる光のお父さん・・・・

実家の回線は・・・ADSL。
回線速度が遅いと、ラグが発生し回避が遅れる事が多々ある。
今は、不利な状況でも頑張ってもらうしかない。
しかし・・・そのハンデを・・・持ち前のゲーマー魂で乗り越えていく光のお父さん。

おとうさああああああん!!!
来たよ!スライ・・・

ド!!
かわしたああああああっ!!!

見えている!
練習を重ねる事で、視界が広がり「重み」や「スライド」を目視確認できるようになってきた!
さすがだ・・・・!!
お父さん・・・
もうあなたは・・・・
立派な光の戦士ですよ!!



それは今、自分から落ちたよね?
それはタイタン関係ないよね。
たまに自分から落ちてしまうけど、かなり慣れてきた光のお父さん。
もう少しでクリアできそうだ!
しかし・・・勢いあまり・・・
終了間近・・・倒れたお父さんを見逃してしまい・・・

「出荷」してしまった。
お父さん・・・・
ねえ・・・お父さん・・・
今どんな気持ち・・・?

そうだよね!!
悔しさ・・・
情けなさ・・・・
自分自身の不甲斐なさ・・・・

きっとお父さんは、これからもこの世界でそんな気持ちをいっぱい味わうと思うよ。
何度も
何度も。

でもね・・・・「あきらめないこころ」があれば・・・
必ずたどり着ける。

この世界で顔も知らない親友たちと・・・
何かを積み重ね・・・ 一緒に努力して・・・

みんなの力で何かを成し遂げる「喜び」。
自分も頑張ったからこそ・・・それは味わえる喜びなんだよね。
光のお父さん・・・・
立ったまま・・・・・

蛮神タイタンをクリア。
出荷された時、ありがとうーって去っていったらどうしようかと思ったよw

立ったままクリアしたかったんですね。
そんな気持ちになってくれて嬉しいです。
「クリア!おめでとうございます!!」

さ・・・・帰ろう!!



・・・・・・・・・・。

まぁ・・・・猫女よりマシか・・・。
次の戦いは・・・ストーンヴィジル!あそこのボスもやっかいだ・・・・。
そして次の蛮神は・・・・ガルーダ!!
カンストに向けいよいよ激しさを増す光のお父さんの旅路・・・・。
困った時は呼んでくれ。
メイデーメイデーってね。
おあとがよろしいようで・・・べんべん!
つづく。
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