
宇宙世紀0079・・・。
一年戦争の真っ只中、僕はオーストラリアにいた。
僕が始めて触れたオンラインゲームは、「UniversalCentury.net GUNDAM ONLINE」というガンダムのオンラインゲームだった。
ガンダムの世界で暮らせる!そんなうたい文句に乗って僕は当時のハイエンドPCを揃えた。
わくわくしながらログインしたのはいいが、チュートリアルもオープニングも無く、だだっ広い世界に僕は放り出された。
まったく何をすればいいのかわからない。
とりあえず持ち金はあったので、それを使ってマゼラトップという戦車を買った。
わくわくしながら乗り込む・・・が・・・10秒もしないうちに連邦軍が襲撃に来た。
恐怖・・・何をどうすればいいのかまったくわからず、かろうじて動ける程度、僕の戦車はあっという間に大爆発・・・。
あれた荒野にまたもや放り出される。
これがオンラインゲームというものか・・・まったくわけがわからない・・・!!
やっていけるのか!? この世界で?
その後数日間、まったくわけがわからないまま・・・おもしろいのかどうかわからないまま・・僕はさまよい続けた。
そして僕は辛抱たまらなくなってオープンチャットで叫んだ。
「初心者はどうすればいいですか?」

その時やさしく声をかけてくれた人がいた。 その人は親切に色々と僕に教えてくれた。
買い物の仕方、お金の使い方、戦い方・・・。そしてその人は僕に自分の所属している部隊(ギルド)に入らないかと誘ってくれた。 僕はこの人についていこうと思い、入隊をお願いした。
初めて触れるオンラインで繋がっている人たち・・・僕はただただ感動した。
新人隊員である僕の元に次々とやってくるメンバーたち。みんなが陽気に自己紹介をしてくれる。
みんな初心者の僕に優しくて・・・暖かい。
昨日までつまらなかった世界が・・・人と知り合うことで・・友達が出来た事で・・・
ものすごく楽しい世界に変わっていった・・・。僕はこの日の事を今でもよく覚えている。
こうやって人とのつながりが増えていけばいくほど・・・この世界はもっともっと楽しくなるだろうな。
その時抱いたドキドキする気持ちは・・・数年たった今でも何一つ変わらない。

光のお父さん計画。
それは、60歳を越えるゲーム好きの父にFF14をプレイしてもらい、自分は正体を隠してフレンド登録。
共に冒険を続け、いつの日か自分が実の息子である事を打ち明けるという壮大な親孝行計画である。
自分の正体を隠し、光のお父さんとフレンドとなったマイディー。
お父さんの成長は早く、あっという間に三国クエストを完了・・・いよいよ始めてのインスタンスダンジョンへと挑む事になる。
急がなければ・・・計画を全て破壊する・・・「運命の日」が来てしまう・・・!
急いで光のお父さんをある一定の状態までもっと行かねば・・・・。

るーしーと一緒にサスタシャ進入口まで誘導した翌日、ついに光のお父さんはサスタシャへと挑む事となった。
FCじょびのLSチャットでみんなに呼びかけ、メンバーを集う。
タンクは、あじふさん ヒーラーはあるちゃんが駆けつけてくれた。
恐らく光のお父さんはとんでもない動きをするだろう・・・なんせ初めてだし・・・。
そうなってくると、お父さんのHPを回復するヒーラーはベテランの方が良い・・・あるちゃんならその辺は確実だろう!
そして4人でパーティーを組み・・・いよいよ光のお父さん
天然要害サスタシャ浸食洞に・・・突入開始!

シャキーン!!



いよいよ始まる・・・!!光のお父さん・・・!初ダンジョン!!
IDに入って初めて顔を合わせる光のお父さん。
お父さんは、 二人の前に跪いて見せた。
初めてのIDに挑むという緊張の中でも紳士的振る舞いを忘れない光のお父さん。
光のお父さん(キャラ名)は ブラックバットの前にひざまずいた。
光のお父さん(キャラ名)は ブラックバットの前にひざまずいた。
OK! お父さん!・・・今日も絶好調だね!

FF14のインスタンスダンジョンには一定のルールがある。
僕は戦闘を前に光のお父さんにダンジョンの進め方の説明を行った。
今回のサスタシャに 突入するには4名のパーティーでなければならない。
そしてインスタンスダンジョンではパーティーの構成が決まっています。
敵を引き付ける タンク が1名
敵を攻撃する DPS が2名
そして仲間を回復する ヒーラー が1名

まずはタンクが、先導していきます。
タンクは先導しながらモンスターがいるとこれを攻撃し、モンスターのターゲットをもらいます。
タンクはHPが高く、防御力もあるため、複数の敵から攻撃を受けても沈みません。
そしてタンクを攻撃してるモンスターに対し、攻撃係のDPSが攻撃を入れます。
タンクやDPSが攻撃を受けると、ヒーラーがそれを回復します。

光のお父さんは、僕と同じDPS。
DPSの注意点は、ダンジョンの中を進む際、絶対にタンクよりも前に出ないこと。
タンクを追い抜いてしまうと、モンスターからのターゲットをもらってしまい、体力が無いDPSはあっという間にやられてしまいます。
ですので・・・絶対にタンクの前に出てはいけませんよ!

良い返事!!
でもほんとにわかってるのかな・・・・w
どうせ・・・わかってるけど熱くなってついついタンクを追い抜いてどんどん進んでいくパターンでしょww
わかってるって・・・w

ところが・・・・!!
光のお父さん・・・言われたとおりに絶対にタンクの前に出ないように注意しながら進んでる!!
そして、僕が攻撃する相手をきっちりとターゲットして攻撃している・・・・!!
1回の説明だけで・・・動きを理解したのか・・・!?

たしかにそんなに難しいことではないけど・・・。
他の初心者さんと変わりない動き・・・。
宝箱の開け方、ロットの方法、ギミックの操作、初めてなのにちゃんとできている!
ただ混戦になると、若干違う敵に攻撃してしまうこともある・・・。

それを見たあるちゃんからのご提案。
「あじふさん、ターゲットマーカーをつけてあげた方が最初はわかりやすいかもです。」
「すこしまってください」
あじふさんが、ターゲットマーカーをつけるためにマクロを組む間、しばし休憩。
ふふ・・・。ふふふ。
なんだかうれしい。

あじふさんも、あるちゃんも、最初は初心者だった。
僕の作った初心者支援LS「一撃学園」生徒たちだった。

ウルダハの街でひっそりと授業をしていた頃・・・。
なつかしいね。まだ1年しかたっていないのにね・・・。
ほんと・・・みんな頼もしくなった。
そして今・・・光のお父さんという初心者さんを助けてくれている。
初心者だった頃、自分がやってもらって嬉しかった事。教えてもらって役に立った事。
それを次の世代に手渡していく。
強引にぐいぐい引っ張っていくのではなく、その人の歩幅にあわせ、必要な事だけを教えてあげる。
僕がしてきたことを、今は この子たちがしてくれている。
なんだかそれが、とてもうれしくて。
僕はつい光のお父さんに、聞いてしまった。

「光のお父さん(キャラ名)、オンラインゲームは楽しいですか?」
あー・・・まだチャットなれしていないから・・・答えるのはちょっと難しいかなw
しばらくの間・・・・
そして一言。
光のお父さんはたどたどしいチャットで返してきた・・・

そっかーw よーしじゃあ後半戦だ!がんばりましょう!

あじふさんがターゲットマーカーをつけてくれたおかげで、攻撃係のDPSがどれからどの順番で攻撃していけば良いかがわかりやすくなった。
これにより、光のお父さんは①から順番に、正確に攻撃を放っている。
優秀だ。 話の内容を理解し、やるべき事がきっちりと伝わっている。
光のお父さんは、乾いたスポンジが水を吸収するように技術を身につけ・・・
1度言ったことを確実にこなしていく・・・。
進化の速度がとても早い!!
進化の速度があまりに速く・・・ついには・・・

弓術のメリットである遠距離からの攻撃というものを綺麗さっぱり捨てさった
「ゼロ距離弓術士」という新たなジョブまで開発したようだ。

始めは遠隔DPSらしく遠くから攻撃しているが・・・

倒す頃には隣にいる。 フシギ!!

そして戦い終われば、必ず謎のジャンプ。
戦っている途中に光のお父さんの野生が目覚め、じりじりと近づいてしまうのだろうか?
狩猟民族としての人間の持つ本来の感情が牙をむき、戦いが終わればあまったエネルギーをジャンプする事でクールダウンさせているのだろうか?
これに関しては、おもしろいのでそのままにしておこう。

順調にサスタシャを進めていく光のお父さん。
ジャンプの回数も増え、光のお父さんがどんどんヒートアップしているのがわかる!
大きな問題もなく進み・・・

ついにボス部屋の前にたどり着く・・・。
初めての・・・ボス戦!!
お父さん、ここのボスは「鯱牙のデェン」。
フィールドの敵とは違い、ボス戦は独特の「ギミック」があります。
ボスと戦っている時、まわりで色んなことが起こります。それがギミック。
DPSはボスの体力を削りつつ・・・このギミックにすばやく対応しなければ・・・全滅する事も多い・・・
鯱牙のデェンのギミックは・・・

あーっ!!
抑えきれない・・・光のお父さんの熱きパッション!!
初めてのボスを目の前にして、ものすごい勢いで弓を射る!!
「天然バーサク」だ!!
攻撃力が上がらない・・・誰も得しない・・・気持ち面だけのバーサクだ!!

光のお父さんのファーストアタックにより、なしくずし的に開幕した、鯱牙のデェン戦!
もうこうなってしまっては、いくら叫んでも光のお父さんに声は届かない!

ここでの注意点は四方にある井戸!!
ボスの体力が減ってくると、四方にある井戸のどれかがランダムで泡立つ!
DPSはそれを察知し、泡立った井戸へ行き「調べる」必要がある。
それが間に合わないと、その井戸から雑魚が出現し、戦闘がどんどんと不利になっていく。
通常はこのギミックの処理をDPS2名が行う事が多い。

井戸の処理は僕とあるちゃんでやろう・・・・!
もうお父さんは存分にバーサクしてて!!
とはいえ、所詮は最初のダンジョンボスである・・・。
さほど強くは無い・・・しかし始めて戦う光のお父さんにとっては、恐ろしく映っているのだろう・・・・。
必死感が伝わってくる。

ターゲットはタンクが引き付け、敵の攻撃を受ける!!
DPSは、その間に敵に攻撃し続ける!!
ヒーラーは、傷ついた仲間を回復する!!
光のお父さん・・・
これがFF14の基本的なパーティーバトルだよ!!
わかった? わかった・・!?
わかったら・・・〆ます!!
リミットゲージ!チャージ完了!

行くぞっ!!

リミットブレイク!!
リミットブレイクはパーティー戦闘の必殺技!リミットゲージを貯める事により発動し、相手に大ダメージを与えるのだ!
僕たち4人の前に鯱牙のデェンはがっくりと崩れ落ちた・・・
・・・・よしっ!!
光のお父さん・・・エオルゼア最初の難関・・・
天然要害 サスタシャ浸食洞・・・


無事クリア!!
ありがとう、あじふさん、あるちゃん!!
よく頑張った・・・!お父さん!!

顔も知らない・・・この世界の誰か・・・。
感じますか?お父さん・・・・。
冒険を続け、世界は広がっていく。
でも・・・広がっていくのは世界だけじゃない。
こうやって、このエオルゼアで・・・人とのつながりが広がっていくのです。
僕が昔味わった事のある あの時の喜びを・・・ドキドキを・・・
少しでも今感じてくれているのなら・・・・僕はとても嬉しいです。

サスタシャを後にする光のお父さんとマイディー・・・・。
進入口の前で・・・感謝の気持ちを伝えるべく、光のお父さんはいつものように跪いた。

光のお父さん(キャラ名)は Maidy Maidyの前にひざまずいた。
うまくなったね・・・・・お父さん。
でもまだこれは最初のダンジョン、まだまだこれからだよ。
がんばろうね。
-翌日、FCじょびネッツア マスタールームにて-

光のお父さん計画は・・・順調に進んでいる。
とくにここ数日間での進化の速さはめまぐるしい物になってきた・・・。
このまま進めば・・・数日後に迫る「運命の日」を乗り越える事ができるだろう・・・。

いよいよ次のダンジョンは 「タムタラの墓所」 だ。
あそこのボスのイカ男は、ギミックをしっかり理解しないと討伐は難しい・・・!!
サスタシャのようにはいかないだろう・・・・みんな!申し訳ないけどよろしく頼む・・!!
恐らく今日あたり、タムタラだと思うっ!!

実はそれなんですが・・・・
先ほどお父様からお誘いがあり・・・
無事「タムタラ墓所」 クリアしました!

「え?」
「突然、TELがきまして・・・タムタラを手伝って欲しいと・・・・」
「TEL・・・個別チャット・・・いつのまにそんな技術を・・・」

「お父様は・・・ボス前ではとくに勇敢に戦われていました・・・!!」
「そ・・・そうだったか・・・ありがとう!」
「TEL使うとか・・・すごい速度で上達してますね!」
コツコツコツ・・・・

やばい・・・・
やばいよこれちょっと・・・・
ぼ・・・ぼく・・・
さ・・・
さ・・・・・・・

誘ってもらえなかったんですケド!?
あれー? あれー??
急速な成長ぶりを見せる光のお父さん・・・。
親の子離れとはこの事なのか・・・・
いや・・・それもなんかちがう・・・。
まあ・・・楽しめてるなら・・・いいんだけど・・・サ!!
つづく。
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