
UC.0079 7. 3
我が603技術試験隊は・・・新たな試作モビルスーツMSM-08ゾゴックを受領・・・。
MSM-08は・・・水陸両用ズゴックを陸上用に再開発したモビルスーツ・・・。
その主兵装は・・・ビーム兵器が蔓延る戦場において・・・時代に逆行した・・・ブーメランカッター・・・。
その有用性の是非が問われ・・・その試験を我々603が請け負う形になった・・・・。
時代に翻弄されながらも・・・男たちは戦場に立つ・・・与えられた兵装に・・・己の命を賭して・・・。
我々、第603技術試験隊はベルファウスト周辺において、試作モビルスーツMSM08ゾゴックの試験運用を開始していた。
オリバー・マイ技術中尉 「マイディー中尉・・・視界は良好か?」

マイディー 「こちらMSM08・・・問題ない・・・水中でも視界は良好だ・・・。」
マイ 「了解・・・今日はこれくらいにしましょう・・・・」
マイディー 「ちょっと待って・・・・これは・・・敵機発見!」
マイ 「ぅえええっ!?」 ←オーバーに。
マイディー 「ちょうどいい・・・このまま戦闘データを取る・・・・」

マイ 「駄目だ!許可できない!!今の08は何の装備も持っていません!!引き返してください!」
マイディー 「はぁ・・・?ゾゴックの主兵装はブーメランとパンチよ・・・この身そのものが兵器なのよ!」
マイ 「わかっています!そんな時代遅れの兵器では死にに行くような物だと言っているんです!」

マイディー 「時代遅れ・・・?兄の愛したゾゴックを馬鹿にしたら殺すわよ・・・・。」
マイ 「マイディー中尉!!」
マイディー 「通信終了!!これより敵機の殲滅に入る!」
マイ 「ぅえええっ!?」 ←オーバーに。

マイディー 「敵機捕捉!ブーメランカッター発射!!」
ガガガガガガ!!!

マイディー 「す・・・すごい・・・敵機撃破!!」
な・・・何・・・ゾゴック・・・ ただのおもしろモビルスーツだと思っていたのに・・・このブーメランカッターの破壊力!
ただものではない・・・まるで・・・連邦のゲムを紙のように切り裂く・・・すごい・・・

ありえない・・・・。
連邦のモビルスーツが持つシールドは・・・06のマシンガンさえも跳ね除ける・・・。
しかしMSM08のブーメランカッターは・・・
その盾を貫通し・・・本体にダメージを与えている・・・
しかも・・・異常なほど弾速が速く・・・ホーミングもついている・・・。
なぜ・・・ブーメランカッターにこんな破壊力がある・・・・ありえない・・・。

モニク・キャデラック特務大尉 「マイ!何があった?報告しろ!」
マイ 「現在・・・マイディー中尉のゾゴックが敵と交戦中・・・!!」
キャデラック 「交戦!?」
マイ 「信じられませんが・・・ゾゴックのブーメランが・・・
連邦の盾を貫通し・・・次々と敵機を切り裂いてます!」

マルティン・プロホノウ艦長 「あの・・・盾を!?」
マイ 「はい。論理的にありえませんが事実です。」

キャデラック 「もし・・・それが本当なら・・・我々ジオンは・・・ついに連邦のモビルスーツと対等に戦える・・・。」
あの忌々しい盾・・・盾自体にHPがある・・・そんな不条理な装備をデフォルトで持っている連邦のうじ虫・・・・。
ついに運営は・・・その不条理に気づいたのね・・・・

プロホノウ 「しかもたった・・・300円でそんな兵器が手に入る・・・DXガチャ・・・恐ろしい・・・・」
キャデラック 「これは・・・・もう引くしかない・・・・引き方・・・よーい!」

マイ 「待ってください!これは何かおかしい!
調査が必要です!!」

ヘルベルト・フォン・カスペン大佐 「何もおかしくは無い!」
マイ 「ぅえええっ!?」 ←オーバーに。

カスペン 「我々に必要なのは論理ではない・・・!!
事実だ!」
ジオンの技術が連邦どもの技術より高いのは当たり前・・!!
その技術が生み出したブーメランカッターなら連邦の盾を貫通しても当然である!!

引くのだ!DXガチャを・・・!!
ゾゴックを当てるのだ・・・!!
ゾゴックのブーメランカッターこそジオンの象徴!!
DXガチャを引きまくり!ジオンを勝利に導くのだ!!
ジークジオン!!
その後・・・ブーメランカッターは連邦の盾を貫通する破壊力があるという噂が広まり・・・
かつて無いガチャ引きが行われた・・・
その数たった一日で・・・2サーバー合計 422,740個
結果・・・戦場には・・・一夜でゾゴックがあふれる事になる・・・。

連邦に対し優位に立てるモビルスーツの登場に・・・ジオン兵の食いつきはすさまじかった・・・・。
ゾゴックの実戦投入により・・・連邦とジオンの勢力図は大きく書き換えられた・・・・。

それは同時に・・・今まで日の目を見なかった「ゾゴック」というモビルスーツが一瞬だけ輝いた瞬間でもあった・・・。
だが・・・・
UC0079 7月4日・・・。
一夜明けた緊急メンテナンスの後・・・

ゾゴックは急激に弱体化・・・・
ブーメランカッターが・・・連邦の盾を貫通しなくなっていた・・・・
まるで・・・たった一夜の夢だったかのごとく・・・ゾゴックブームは終了を迎えた・・・・。

アルベルト・シャハト少将 「中尉・・・MSM08の本生産は見送られたよ・・・・」

マイ 「たしかに自分は見たんです・・・連邦の盾を貫通するブーメランを・・・・」
シャハト 「・・・・・・。」

マイ 「論理的ではありませんが・・・あれは・・・我らジオンの執念のように思えました・・・・。」
シャハト 「執念・・・そんなもの・・・この戦争には渦巻いている・・・。特別なものではないよ・・・。」
マイ 「あれは・・・男たちの・・・・想いが・・・力となって・・・・」
シャハト 「中尉・・・バンダイは認めたよ・・・・」

それはゾゴックの力ではない・・・不具合だと・・・・・。
マイ 「ぅえええっ!?」 ←オーバーに。

そんな・・・ゾゴックに神性能を与えておいて・・・引くだけ引かせて・・・
はいざんねん!不具合でした・・・!! そんな事が通るんですかっ!!!
ブーメランに夢を見て・・・
ガチャを引いた男たちの想いは・・・どうなるんですか!?

シャハト 「お詫びの50,000GPで・・・・」
マイ 「通るかーーーーっ!!!!」
宇宙世紀0079 7月8日・・・・。
試作モビルスーツMSM08ゾゴック技術試験報告書・・・・・。
去る7月3日・・・我々603試験隊は・・・ゾゴックの実戦テストを実施せり・・・。
しかるも、連邦のモビルスーツをはるかに凌駕するその性能は・・・ゾゴックが有するものではなく・・・
不具合であった事実が発覚した・・・。

その後・・バンダイは・・・今回の不具合を深く反省・・・・。
異例の還付を行う・・・・。
期間中に購入したガチャチケットを対象者に全て返還。
期間中ゾゴックを開発した兵には・・・マスターメカニックチケットを50個プレゼント・・・。
さらに、期間中の戦闘結果を全て「勝利」として計算する。
そして・・・バンダイは今回のゾゴック不具合を受け・・・下記の文章を発表した・・・。
「機動戦士ガンダムオンライン」をプレイして頂いている全てのお客様にご迷惑をお掛けした事を重ねてお詫び申し上げます。
今後、同様な形での不具合の発生やご迷惑をお掛けしないよう、十分なチェックを行ってまいります。
また、不具合への対応は勿論のこと、お客様への対応などについても見直しを行い、安心して楽しめる環境を提供できるよう努めていきます。
そのファーストステップとして、既にご案内を差し上げております、新たな方針での運営ポリシーの発表を7月31日に行う予定となっております。お客様に公開することで、お客様と共により良いサービスにできるよう改善を行なって参ります。
今後とも「機動戦士ガンダムオンライン」を宜しくお願い申し上げます。

MSM-08 ゾゴック
その性能は高くないものの・・・
自らの不具合を持ってバンダイの不具合に対する姿勢の根幹を見直させる事に成功した。
それは・・・今後のガンダムオンラインにとって・・・大きな意味がある成果だと・・・信じたい・・・。
宇宙世紀0079 7月8日
オリバー・マイ技術中尉

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