
今日は仕事の飲み会で帰りも遅くなったので、特にネタがありません。
ですので、昔話をひとつ。
インターネットに回線をつなぎ、ひとつのゲームをみんなでプレイするコンテンツ。
当ブログでは「オンラインゲーム」という呼び名で呼称しています。
でも実は一般的には「ネットゲーム」「ネトゲ」と呼称する人の方が多いのかもしれない。
そうとわかってなぜ、オンラインゲームと呼称しているのか。

自分の中では「オンラインゲーム」と「ネットゲーム」はまったく別物なのです。
自分の中の「ネットゲーム」というジャンルは、ずばり
「PBM」 をさします。
Play-By-Mail
インターネットが普及しまくった今、そのゲームスタイルは死滅してしまった。
自分も幼い学生だった頃、このPBMに没頭していた時期がありました。

あの1年はとても楽しかったし、その後の人生を大きく変えてしまった。
その1年があったから、今こうしてオンラインゲームのブログを書いているのかもしれない。
その時代、私は宇宙の戦士でした。
バトルクラックと呼ばれるエアバイクレースが盛んな惑星「バルコル」。
バルコルに本社を置く大手軍事メーカー「フォーチュンマキシマ社」。
フォーチュンマキシマ社の戦術技研組織「スカーレットニードル」。
自分はそこの人型兵器DOLLに駆り、社を守る「ノーザンライツ隊」の隊長を任されていました。

部下は2名。
北海道の女の子と石川県の男の子でした。
その世界の名は・・・「クレギオン」。
今はもう無いホビーデータという会社が行っていた「PBM」です。
ここで少し、PBMについてお話します。
PBMとは、もともとヨーロッパの誰かさんが遠くの友人と郵便を使ってチェスを行ったのが起源とされています。
ネットなど無かった時代、彼らはチェスの一手一手を手紙に書き、郵便を使ってやり取りをしチェスを楽しんでいたそうです。
でも僕たちが遊んでいた、PBMはもっと壮大なものでした。
その流れをご紹介します。

① 参加申し込み
まず最初にゲームが始まる数ヶ月前からゲーム雑誌等で告知がされます。
参加希望者は、たしか15,000円くらいをゲーム会社に振り込みます。
そうすると手元にルールブックが郵送されてきます。
② キャラメイク
ルールブックをもとに、自分の分身になるキャラクターを製作します。
製作するといっても、昨今のオンラインゲームのように容姿を決めるのではありません。
ルールブックの世界観に乗っ取って、そのキャラクターの設定を決めるのです。
選択肢はありません。自由に決めてよいのです。医者でもいいし、浮浪者でも軍人でもジャーナリストでも良い。
キャラクター設定用紙に書いた文章がそのまま反映されます。
③ 郵送、ゲーム開始を待つ。
自分のキャラクター設定を作ったら、その用紙を返信専用の封筒に入れ、ポストへ投函です。
そして・・・・ゲームが開始されるのを待つのです。

④ ゲーム開始。 最初の事件が知らされる。
ゲームが開始されると「リアクションシート」と呼ばれるものが自宅に郵便で届きます。
郵便物の中身は、自分の作ったキャラクターが登場する小説のようなものが入っています。
ホビーデータに在籍するゲームマスター達がプレイヤーから送られてきたキャラクター達を配置し、
ストーリーを構築して小説化してくるのです。
自分のキャラクターはその世界でどういう立ち位置なのか、そしてその自キャラはその世界でどう生きているのかがリアクションシートに書かれています。
自分が最初に受け取った状況は、自分がさっきあげたスカーレットニードルの隊員である事、複数の仲間と「黄色い太陽」と呼ばれるテロ組織と対立している事が書かれていました。
そして・・・黄色い太陽がどうやら、フォーチュンマキシマ社のイベント会場を襲撃するらしい・・・・
というところでリアクションシートは終わっています。
リアクションシートには、「H-24」という番号が書かれています。
さあ・・・・行動開始です。

⑤ 情報を収集し、アクションを考える。
H-24と言うのは、Hブランチの24種類目のリアクションシートという事です。
Hブランチは自分のいる惑星のストーリーです。自分がいたバルコルだけでなく、
他にもいっぱい星があり、数々の事件が起きています。
まあそれは置いておいて、自分の惑星での出来事に集中です!
24種類目・・・つまり他のプレイヤーが受け取っている23とか28とかのリアクションシートには、
この事件を別の角度から見たストーリーが書かれているわけです。
現状の情報をより多く集めるには、他のリアクションシートを手に入れねばなりません!!
リアクションシートには近隣にいたキャラクターをプレイするプレイヤーの住所〔!〕が書かれている名簿が同封されています。
個人情報にうるさい今では考えられないw
で、どうするのか・・・・他のプレイヤーとリアクションシートを交換する為に・・・
お手紙を書くのです!!!
当時、携帯電話、メール、ネット等は世の中にありません。
だから文房具屋でレターセットを買ってきて、紙に文章を書き、自分のリアクションシートのコピーを同封して「交換してくれ!」って片っ端から送るのです。
文通開始です!!

数日後、同じようなプレイヤーからたくさん手紙が届きます。
その返事を書き、集まった情報を交換し合い・・・
作戦を提案、相談、決定、この過程を全て手紙で行いアクションを決めます。
アクションとは前回の途中で終わっているリアクション小説を受けて、自分のキャラクターがどう行動するかを文章にして運営のホビーデータに送るのです。
そうするとそれを受けたゲームマスターがマスタリングを行い、新たなリアクションシートを発行するのです。
以降、全12ターン。約1年をかけて一つの物語を楽しむ。
それが「PBM」と呼ばれる遊びでした。

今考えると想像を絶するような手間。
でもその一つ一つが手書きの手紙で行うからこそ、楽しかったんだと思います。
当時、午後3時くらいになると郵便屋さんが手紙を持ってくるんです。
そのバイクの音を聞くとものすごくドキドキして、興奮していました。
だから、今でも郵便屋さんのバイクの音を聞くとドキっとするんですよねw

その後、自分はこの冷たい宇宙の中で饅頭屋を営む女の子と友達になりました。
文通から始まり、オフ会で会ってご主人さんとも仲良くなり、芸人時代に入っても交流は続きいろんなサポートをしてもらったりとかなり深いお付き合いをさせていただきましたのですよね。
よく週末は新婚ほやほやのお家に遊びに行って晩御飯とかご馳走してもらったものですw
楽しかったな。
ゲームというもの、ロールプレイングというものを通して、友達ができていく楽しさを知ったのは、PBMが最初だったんだと思います。
人と人とが手紙を交換して交流が深まっていくゲーム。
いつしか、PBMはその様子から「ネットゲーム」と呼ばれるようになっていました。
それはインターネットなんか無かった時代のネットゲーム。
その印象が強い為、自分は昨今のMMOやFPSを「ネットゲーム」と呼ばず「オンラインゲーム」と呼んでいるのだと思います。
すっげーどうでもいい話でしたねww

ただ、今も昔も思うのは、それが手紙であれ、オンラインであれ
人と人とが繋がっていくゲームは最高におもしろいって事。
オンライン大三全世界。
そこに身を置く一人として、
そのすばらしさを一人でも多くの人に伝えていければいいな。
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