
「この過酷な宇宙を私は48の技で生き抜いてきました。」
その人は私にそう言った。
ダーカーに家を焼かれ、父と母と左目を失った私は、その人に頼るしかなかった。
瀬戸千蔵。
その人は、一流のアークスで父の親友でもあり、私の家のボディーガードもしてくれていた。

私の家はいわゆる名家で代々受け継がれた財産で暮らしていた。
なんでも先祖が大海賊で、莫大な遺産を有しており、それを運用し貴族になったとか。
今となってはよくわからない。

ダーカーに家を焼かれた私は、何もかもを失い一人で生きることになった。
そんな私にアークスになるように勧めてくれたのはセンゾーさんだった。

センゾーさんが言うには私にはフォトンを扱う才能があるらしい。
だからアークスになれるって言ってくれた。

私は、アークスになってみようと思った。
この暗い宇宙で、強く生きるセンゾーさんのようになれれば、天国の父と母が安心して眠れると思ったからだ。

センゾーさんの通り名は「キャプテン」。
キャプテンセンゾー。

アークスになりたいと言った日、センゾーさんは優しく笑って言ってくれた。
「私はこの過酷な宇宙を48の技で生き抜いてきました。その全てをお嬢様にお教えしましょう。」

この日の夜、死んだ父が好きだった長い髪をバッサリと切った。
これは死んだ両親との決別ではない。一人で生きていくことの誓いだ。

この日から私とセンゾーさんの旅が始まった。
「今日から私があなたの師です。今日から私をキャプテンと呼びなさい。」
「はい!キャプテン!!」

キャプテンは、ソードの振り方から、礼儀作法、現金の作り方、人との接し方等あらゆる事を私に教えてくれた。
どれも宇宙で生きていくには必要不可欠な事。

アークスのミッションを終えると、いつもキャプテンは高い場所に上り、名乗りをあげるクセがあった。
最初は恥ずかしかったけど、だんだんとそれが大好きになってきた。
それから10年。
私は48の技のうち47の技を習得した。

「48の技の内、最後のひとつはお嬢様が自分自身で見つけてください。」
そう言い残してセンゾーさんはアークスを引退。「キャプテン」の通り名を私に譲ってくれた。
2代目キャプテンとなった私は、どうにかこうにかこの過酷な宇宙で生きている。

だけど・・・・48の技の最後のひとつは・・・未だに見つけられていない。
それを見つけられるまで、私は髪は伸ばさない。
その後のセンゾーさんは・・・

お孫さんと楽しく暮らしているようだ。
最後の技を習得するために、私は今日も宇宙を駆ける!
そう!!
私の名は・・・・

つづく。
『PHANTASY STAR ONLINE 2』公式サイト
http://pso2.jp/
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