
ある所にたいそう熱心な仏教徒がいたとする。
ある日その仏教徒の前に、仏様が降臨し・・・
「私のために仏像を彫りなさい。」と言ったならば・・・
その仏教徒は生涯をかけ、全身全霊を込めて仏像を彫り続けるだろう・・・。
そりゃあもう、最高のテンションで。

前回までのあらすじ
吉田P/Dからの依頼で、全力でマスターグレードνガンダムVer.kaを作る事になったマイディー。
形状確認用に購入したもう一体のνガンダムを完成させたマイディーは、νガンダムの持つ面構成の美しさに驚嘆する。
そして、この美しい面構成を活かした製作プランを検討する為に、新たなガンプラを購入する決意を固めたのであった。

ガンプラにおいて、「面が美しい」というのはどういうことか。
まずはそこだ・・・。

たとえば、νガンダムの肩。
これはアニメに登場するνガンダムの設定そのままではなく、デザイナーカトキハジメ氏の独自アレンジが加えられた独特のデザインになっている。
この複雑に絡み合った面の構成がとても美しい。
もうこれでいいんじゃね!?とも思う。
だが・・・。
一見美しいフラットな・・・装甲の面構成・・・
「ガンプラ」が「ガンプラ」であるが故の、二つの宿命を背負っている。

ガンプラの素材は、いまさら言うまでもなく「プラスチック」だ。
パーツの形の溝が掘られた金属の金型に液状のプラスチックを流し込み、パーツを成型する。

しかし・・・パーツが冷えて硬化する際・・・「成型収縮」というのを起こして、
パーツが若干縮んでしまう現象が起こる。
この「成型収縮」は成型するプラスチックの厚みが厚ければ厚いほど起こりやすくなる。

なのでガンプラのパーツはできるだけ薄く成型され、
この「成型収縮」が起こりにくく設計されている・・・
が・・・。

パーツとパーツをつなげる取り付けピン周辺などはどうしても厚みが必要になるため・・・
その部分で若干の「成型収縮」が起きてしまう。
パーツの構成上・・・どうしても発生してしまう・・・成型収縮・・・

それが、『ヒケ』と呼ばれる「窪み」になる。
これはプラスチックモデルでは避けられない宿命。このヒケに薄くといたパテ等を流し込み、表面を平らにする。
美しい面を作り出すためには、こういった「ヒケ処理」は必要不可欠な作業だ。

さらに・・・たとえばこういうパーツがあったとする・・・。
ちょっと図がわかりにくかもしれまんが・・・面と面が折り重なったシャープなパーツとイメージして欲しい・・・。
ガンプラはユーザーがパーツを手で触って組み立てていくもの。
なので・・・

こういう尖ったエッジ部分は指に刺さったりするので、非常に危ない。

なのでバンダイは独自の安全基準を設け、こういった尖ったエッジを丸くしてパーツを作ってくれている。
バンダイのやさしさ・・・。

これが「バンダイエッジ」と呼ばれるゆるやかなガンプラのカド。
すべてのバンダイエッジが駄目というわけではないが・・・
ここぞというパーツは尖っていてほしい。
ここぞというカドは直角であって欲しい。
美しい面を作り出す為に、全体のバランスを見て、バンダイエッジを落とし・・・かっちりとしたラインを作らねばならない。

そういう観点で改めてνガンダムの肩を見ると・・・

なんかやっぱり少しだけ「もったりしてる」感じがするんだよね・・・。
もう少し面を平らにして、エッジを立たせればよりこの面構成はもっとカッチリとして美しく表現されると思うんだ。

昔はこういう表面処理もバリバリやって作ってたけど・・・最近はガンプラの出来の良さに甘えてまったくやってなかった。
きっと腕は落ちてるだろう。
なのでやっぱりリハビリが必要なわけだ・・・。
面が美しいνガンダムを完成させる・・・その前に・・・
表面処理練習用の機体を購入し、練習する。
この課題をクリアする為に・・・僕は新たなガンプラを購入した。

表面処理をたくさん練習できそうな・・・ガンダム!!
たくさんの面が重なり・・・独特の直線的なフォルムを持つガンダム・・・!!

MG 1/100 ガンダムAGE2 ダブルバレット!!

面!面っ!面っっ!!

面!面っ!面っっ!!

面!面っ!面っっ!!

め~んっ!!かっこいいっ!!
なんという直線的かっこよさを持つガンダムっ!!
これからこのダブルバレットの表面処理をきっちりと行い・・・フル塗装で仕上げる。
そうする事で「表面処理」のリハビリを行うっ!!

さあ・・・リハビリを始めようか・・・削るぞっ!!
うふふふっふ・・・・。 たのしいw
つづく。