
6月の中旬にちょっと変わったメールが来た。
MMORPGのプレイングが現実世界の社会的スキル(問題解決・チームワーク)に及ぼす影響を検討するインターネット調査
ほうほう。送り主は、中京大学現代社会学部の高田君。
すごい・・・本名でメールを送ってくるとは・・・よほど真剣なお願いなんだろう・・・。
読み進めると、高田君は大学で、「MMORPGがプレイヤーの現実世界の対人関係に及ぼす、主にポジティブな影響を明らかにする」という「MMORPGへの偏見排除」を目的に社会学および心理学の視点から長年研究を続けているとのこと。

なるほど・・・・。この高田君という方は、オンラインゲームを遊んでいる経験が、リアル世界で社会的スキルにどんな影響を及ぼしているかを研究しているわけですね。
ドラマ版【光のお父さん】で、表現していたオンラインゲーム上でのやりとりで得た「気づき」がリアル生活に役に立ったりするという部分をより具体的に研究しているんだ。
そしてメールはこう締めくくられていた。
MMORPGは娯楽の一種ですので、当然利用者に悪影響を及ぼす部分もございますが、それを超える良い影響も当然あるものだと確信しております。MMORPGの実像を一般の方々に正しく理解して頂けるようにすることが私の目標です。
今回の依頼は、同じ目標をもって活動している当ブログにて、調査に必要なアンケートの告知をして欲しいという内容だった。
おもしろいじゃないですか!
・・・・というわけで、エオルゼアで高田君に一度会って話を聞いてみることにしました。

僕は、オンラインゲームの可能性を「研究」しているわけではなく、思ったことや感じたことをブログという形で表現しているだけにすぎない。それを社会学や心理学の方面から本格的に「研究」している人がいるなんて・・・一体どんな人なんだろう・・・。
ぜひ色々と語り合ってみたい・・・。そんなわけで待ち合わせ場所のリムサへ到着。
「はじめまして!マイディーさん!」

え!? おじいちゃんキャラなんやっ!?w
学生さんっていうイメージがあったから、勝手にララフェルか、ミコッテ男子を想像してたw
あえてそのおじいちゃんキャラを選択した部分に好感が持てるわっww

そんな高田君の話を聞いてみると、彼は「中京大学現代社会学部Field Research Center」と言うところで社会学や心理学を研究しており、大学院進学から、社会学の博士の学位取得まで一貫してオンラインゲーム研究を行ってきているとの事、特に「仮想世界におけるプレイヤーの【集団活動経験】および【世間話】等の交流活動が現実世界における社会的能力や精神的な安らぎに及ぼす影響」について研究しているらしい。

すでに「FFXIV」の大迷宮バハムート侵攻編2層に焦点を当てた「オンラインゲームコミュニティにおける合理的問題解決能力・チームワーク能力」に関する論文も完成させたとのこと。
そう・・・彼は言うなれば、オンラインゲームの光の部分を追及し、オンラインゲームの素晴らしさを「学術的」に世間に訴えかけていこうという【光の研究者】なのだ。

「これまでオンラインゲームのプレイングが及ぼす悪い影響ばかりが取り上げられる傾向にあり、良い影響については未だ十分に検討がなされていません。」
「そうですよね、それは僕も感じています。」

例えば、『読書の効果』 に関する研究では、読書は一人で行うものだから、『読書は対人関係を希薄化させる』 という結論で終わっていない。
文章を読む事で『語彙力の向上』 という行為の内面まで検討が及んでいる。

しかし、『オンラインゲーム(MMORPG)の効果』に関する研究は、行為の外面『モニタの前でボタンを連打する姿』 のみに焦点が当てられ、読書をすれば『語彙力が向上する』等の行為の内面、つまり 『ゲーム内でのプレイヤー同士の協調的活動』 にはまったく焦点が当てられていない。
それが 大きな問題 なのだと、高田君は語る。

「今回の調査の目的は、MMORPGにおける(主に)エンドコンテンツ活動経験が現実世界における 社会的スキル (合理的問題解決・チームワーク) に及ぼす影響を検討することにあります。」

「エンドコンテンツでは、様々なギミックに対する 「合理的問題解決能力」 やパーティの崩壊を防ぐための 「チームワーク能力」 が重要になることが分かっています」
「たしかに。」
「仮想世界において それらの活動経験を積むことが、プレイヤーの現実世界の社会的な能力に及ぼす影響を検討しようとするのが 今回の調査の主眼となっています」

「で、今回の調査に必要なオンラインゲーマーの生の声をアンケート調査したいという事ですね。」
「はい!そのアンケート結果を基に新たな論文を完成させ、いつの日か、オンラインゲームに対する偏見の排除できるよう研究を続けていきたいのです!」

戦う場所や立場が違っても、僕も彼と同じゴールを目指している。
僕らが愛してやまないオンラインゲームの世界を取り巻く偏見の排除。
彼の研究が進み、それが学術的に証明されるようになれば、いつの日か彼の研究はオンラインゲームの将来に対して大きな一助となってくれるはず。
「喜んで協力しますっ!」

オンラインゲームはたしかに娯楽であり、あくまでゲームかもしれない。
でも僕らは、そこに安らぎを感じたり、そこから明日への活力を得たりしている。
世間にはもっと知って欲しい。僕らが毎日覗いているモニターには何が映っているのかを。
僕らが何を見ているのかを・・・・。

【アンケートにご協力ください!】
「中京大学現代社会学部Field Research Center」でオンラインゲームの研究を続ける高田君が論文製作に必要なデータを収集する為のアンケート調査を行っています。
オンラインゲームの明るい未来の為、ご協力いただけると幸いです。
アンケートの集計結果や、成果報告等をまた送ってくれるそうなので今後ブログでも追っていけたらなと思っています。
アンケートに関するご質問等は、高田君あてに送ってあげてくださいっ!
以上宜しくお願いします!!
つづく。