
最近その作品の持つ「佇まい」に惹かれることが多い。
「佇まい」・・・たたずまい。そのものの姿形、ありさまを表す言葉。
立体物だからこそ、感じ取れる感覚とでも言うのでしょうか?
そのものがそこにある、そこに立っている姿自体が美しいとついつい眺めてしまう。
今日も僕は素晴らしい佇まいを持った立体物を探して歩くのだ。
さて!本日購入いたしましたのはー!!

Fullcock 吾妻ひでお美少女フィギュアコレクション
ななこSOS 『ななこ』 ブラックVer.
まだそれは、地球上に「萌え」という言葉や定義が存在していなかった1980年代初頭、ひとつの作品が誕生する。
吾妻ひでお大先生が描かれた漫画、「ななこSOS」である。
まだオタクという言葉も誕生していない時代に生み出された、この作品は現在では萌え文化の源流と位置づける人も多い。

あえてジャンル分けするならば、「ドタバタSFナンセンスギャグコメディ」になるのでしょうか?
超能力を使う女の子、ななこを中心とした日常の様々な事件を描いている。
ネタ的にも80年代を感じさせる作品だ。

毎回ほぼ1話完結で描かれるエピソードは、なんかふわっと始まってふわっと終わる。
毎回の定番ギャグとか、定番のオチみたいなものも無い。
事件が起きて、解決できたのか、出来なかったのか・・・よくわからない回もある。

あらゆる超能力を使う「すーぱーがーる」の ななこ が、四谷という男にただひたすらに利用され続けるだけ・・・。
なのに・・・

一定期間ごとにふいに読みたくなる、謎の中毒性。
読み返したとて、笑うわけでも、泣くわけでも、感動するわけでもない。
うまく説明できない謎の魅力を持った作品・・・それが「ななこSOS」だと思う。

アニメ化もされているにはいるんですが、ものすごいコレジャナイ感を放っており、アニメ用に改定された設定等がものすごく蛇足に感じるのですが、劇中のアイキャッチや、超能力を使うときに流れる「猪木!ボンバイエ!」のリズムをまるっと使った
「な・な・こっ!SOS! な・な・こっ!SOS!」という掛け声だけが印象に残る作品となった。
まあちょっと前置きが長くなり、ななこSOSの事がちゃんと伝えられたかというと微妙な感じですが・・・w

今回の商品は、アニメではなく、原作のななこを立体化したPVCフィギュアですね。
しかしこれが・・・なんというか・・・
とても素晴らしい出来栄えなんですよっ!!
何がすごいかというと、この全体的なバランス!

ななこSOSは、ナンセンスギャグなので、主人公 ななこの等身が、4頭身だったり、5頭身だったり、6頭身だったりするわけです。
ハイスクール奇面組(みんな知ってるのかなw)のように、2頭身のギャグモードと、8頭身の通常モードというような使い分けでなく、コマによって微妙に等身が違うわけです。

それを立体化して、これはななこです!とするには、イメージの最大公約数を導き出さなければならない。
精密に描かれるストーリー物の主人公ではなく、ギャグ漫画のキャラクターを立体化する時の難しさみたいなものだと思う。
しかも、立体は嘘がつけない。

漫画独特の太くて短い指も、立体にすると河童の手みたいになってしまうので、人体のそれに近づける必要がある。

特徴的な足首とつま先も、立体化の際は自重を支え自立させる為にアレンジを加えなければならない。

また、どの表情をセレクトし、目線をどう動かすのか?髪の流れをどう作るのか・・・?
少ない線で描かれたバラつきのある二次元のキャラクターを立体に起こす為に必要なものすごい量の足し算と引き算を、素晴らしいバランスで解き、成立させているのがこのフィギュアのすごいところ。

それがロボットであれ、プラモデルであれ、フィギュアであれその立体物を作った人の作品への情熱や、その情熱を昇華させる技術が垣間見える作品は、素晴らしい佇まいを見せてくれる。
このななこの非常に整った素晴らしい佇まい!!良い買い物だった。
あ、でもわかった。僕はななこSOSの何が好きなのかというと、ななこというキャラクターがすきなんだろうなー。
昭和の萌えキャラクターって感じでほんわかいいですねw
独身万歳っ!