「え?なんで壊すの?」小学校のとき、友達とプラモデルを作って遊んでいた。
僕と友達のそれぞれのプラモデルは、僕らなりに満足のいく出来栄えとなり、ニヤニヤと眺めていた。
なのに、友達は完成したプラモデルを手に取り分解し始めた。
その行動に理解が出来なかった僕は、友達に聞いた。
「え?なんで壊すの?」 すると友達が答えた。
「もう一回作るねん。今度は青く塗る!」僕はびっくりした。プラモデルって完成させて喜ぶものだと思っていた。
でも、彼は「完成させること」を喜んでいるのだ。 その時はまったく理解ができなかったな。
僕はそれから大人になり、最近になってその喜びの意味がわかってきた。
「結果」にしか喜びを見つけられない人は、「過程」を楽しむことはできなんじゃないかって。
光のお父さん計画・・・・。それは、60歳を越えるゲーム好きの父にFF14をプレイしてもらい、自分は正体を隠してフレンド登録。
共に冒険を続け、いつの日か自分が実の息子である事を打ち明けるという壮大な親孝行計画である。
ついに始まった「大迷宮バハムート」への挑戦、その第1層初アタック
8人の行く手を阻む「制御システム」、苦戦を強いられるも、光のお父さんの「沈黙」で高圧電流を押さえ
黒魔導士めるの放つ「めるめるめてお」でこれを退ける。
しかし、これは序の口・・・真の1層はこれから始まるのであった。
さらに奥へと進む8人・・・
「大迷宮」というくらいだ・・・
それはそれは入り組んだ迷路のようなダンジョンを進み・・・強敵と戦い疲弊していくイメージ・・・
僕も初めてきた時、そういった不安を持っていた。
体力配分、魔力の残量、戦闘力・・・なにをどこでどれだけ使い進んでいけばいいのか・・・
迷宮に初めて挑む場合・・・これらの計算の仕様がない・・・だがその判断を誤ると・・・
待っているのは死。8人はゆっくりと無言で歩みを進める・・・。

途中出てくる敵を倒しながら進む。
そろそろ・・・そろそろ誰かが突っ込みを入れる・・・。この「大迷宮」に隠された最初の真実に気づき!メスを入れる・・・!だれだ・・・? だれだ・・・?
僕がそんな雰囲気を出していたのか・・・
口火を切ったのは・・・めるくんだった。
めるくん 「迷子になりそうですね・・・・」
めるくん・・・・やさしいね・・・。
予習無しの初見のARISEを気遣って・・・盛り上げようと・・・
でも・・・でもたぶん・・・
みんな気づいちゃってるよ・・・
「大迷宮」と言いつつ、実は1本道だってこと。迷いようが ねーっつーこと。迷宮要素、なんもねーっつーこと。そして・・・僕たち8人はたどり着いた・・・。
第1層の最終地点・・・
足元に引かれている紫色のライン・・・。ここに来るまでに僕たちは何本もこのラインを越えてきた。
だからこのラインを見れば、それの意味することはわかっている。
そうこの先にいる・・・大迷宮1層の主・・・!!それは・・・僕たちを見つけ・・・ものすごい速さで・・・
這いよって来る・・・・!!
大迷宮バハムート・邂逅編1層ボス・・・
カドゥケウス!!! 通称・・・「蛇」!!!
たしかに大迷宮は1本道だ・・・。
道中はそれで笑いも沸いてくる・・・だが、各層にいるボスの強さは・・・幾度と泣く僕たちに絶望を与える。
笑えない状況に僕たちを落とし込む・・・。
たかが蛇・・・そう思うと・・・痛い目を見る・・・。
さあ・・・僕たちは何も言わない・・・。どんな攻撃をしてくるのか・・・。それをどう対処するのか・・・・。
今回の大迷宮挑戦にあたり・・・協力してもらっているARISEも初挑戦だ・・・。
そして彼らは・・・予習をしていない。自分たちの推理・・・それだけで戦う・・・彼らはそういう人達だ・・・。
だが・・・光のお父さん・・・・。彼は・・・蛇の倒し方をばっちり予習し・・・
知っている!!しかし・・・彼はボスを前にして・・・・何も語らず、じっと蛇を見ている・・・・。
若いARISEの推理力を試そうとしているのか・・・・?
ずっと無言だ・・・。
実は・・・後日、聞いてみた・・・。
この時、無言だった理由・・・。
攻略法を知っているのに黙っている理由・・・。
「予習してその内容をメンバーに伝えたりしているの?」と・・・父は・・・僕の目を見ず・・・・短い言葉で質問に答えた・・・。

頼んだぞ・・・ARISE・・・!!ぼくのパパは、この有様だ・・・!!しかし・・・相手の外見だけで攻略方法を見極めるのは不可能・・・。
どのみち、最初は当たって砕けるしかない!!
とりあえず・・・行こうか!マイディー 「きりんセット!!」
ごめんね・・・きりんちゃん・・・ちょっと痛いよ・・・
マイディー 「ゴー!!」
きりんちゃん 「にゃんにゃんぷ~い~♪」蛇にシールドを投げつけ、敵視を取るきりんちゃん。
まずは蛇をメインタンクであるきりんちゃんががっちりと捕まえる。
定石通りのスタート。

マイディーとあんじゅくん、近接DPSは蛇に張り付きありったけを叩き込む。
めるくんと光のお父さんは、ある程度距離を開け様子を伺いながら攻撃。
そらりすさん、ぱすてぃーちゃんは、さらに離れきりんちゃんに回復を入れる。
すべて定石通りの動き。

ステージは六角形のパネルがいくつにも連なり作られており、段差が多い。
飛び上がれない段差もあり、非常に癖のある足場・・・。
じりじりと削られていく蛇!
ここで・・・最初のギミックが起動・・・。
突如、一部の床が光りだす!!異変に気づいた初見メンバーは咄嗟に光る床から降りる・・・。
光は柱となり・・・消えた。

それを何度か繰り返していくと・・・突然、蛇を維持していたきりんちゃんが蛇の一撃で倒れる。
タンクが一撃で落ちる等ありえない。それほど高いダメージを受けている。
すかさず、サブタンクのるぶくんが蛇の敵視を取り固定する・・・。
きりんちゃんに蘇生魔法が飛ぶ。
しかしその直後・・・!
蛇が2体に分離!!あっという間に僕たちをその牙にかけ・・・2匹の蛇はすぐに合体。
あっという間に全滅。
明らかに今までのIDのボスとは違う。恐るべき強さ・・・。これが大迷宮。これを攻略するためには・・・今起こったことを整理し・・・
ひとつひとつの意味と対処方法を導き出さなければならない。
無策で何度か突っ込み、敵の動きを観察していく。
カドゥケウス。この蛇の最大の武器は
「スチールスケール」という技だ。
蛇は一定時間ごとにこの「スチールスケール」を唱え、自身の攻撃力を上げていく。
唱える毎にスチールスケールはスタックされどんどん攻撃力が上がっていく。スチールスケールが重なり攻撃力を増した攻撃はタンクさえも一撃で葬り去る。
このスチールスケールとどう向き合うか?が この1層最大の攻略テーマである。
何度目かの挑戦で ひとつのミス が突破口を開く。
危険視されていた光る床。光の柱になる瞬間、誰かが逃げ遅れたのだ。
しかし逃げ遅れた者は死ななかった。変わりに・・・
ダークマタースライムというモンスターが出現。スライムは光る床を踏んでしまった者をおいかけまわす。
しかし・・・蛇がスライムを見つけるや否や・・・
驚いたことに このスライムを捕食。蛇の体力が回復・・・
そして・・・「スチールスケール」が1段階落ちた。
そう、蛇との戦いにおいて、
この「スライム捕食」が勝敗をわける鍵になるのだ。蛇が「スチールスケール」を使用し、その次に床が光った時、一人だけ光る床を踏み、スライムを出現させる。
スライムを誘導し蛇の元まで連れて行く。この際、スライムの体力が多いと蛇の体力回復が多く回復するため、生かさず殺さずギリギリまでスライムの体力を削り運搬する必要がある。
スライムとの距離をとり過ぎるとスライムは爆発しまわりに大ダメージを与える。
生かさず殺さず、近づきすぎず 離れすぎず・・・。スライムを運搬し、蛇に捕食させる・・・。
そうすることで蛇の「スチールスケール」を消す。ARISEがそのからくりに気づいた。問題は・・・誰がそんな難易度の高い仕事をするのか・・・。
そしてみんな気づいている・・・。 それができるポジションにいるのが誰かということを・・・・。
父は予習している。だから知っている・・・。その仕事ができるポジションにいるのは・・・遠隔DPS・・・
つまり自分だということを。誰かに言われてやるのではなく、自分から言ってくるとは・・・・。

かっこいいじゃない。
そして再び、戦闘再開。
光のお父さんがスライム運搬をおこない、「スチールスケール」を消す。これにより、壊滅への第一歩、タンク即死の心配は無くなった。
次に分身の攻略に入る。何度かの戦闘でARISEが気づいたのは、一度分離した蛇が合体すると手がつけられない程強くなるという事実。
分離後、2体の蛇が近くにいると合体してしまうという所まできづく。
そこで、分離後はメインタンクのきりんちゃん、サブタンクのるぶくんがそれぞれの蛇を受け持ち引き離す作戦を決行。
2班に別れ蛇を括弧撃破することになった。
A班 タンク・きりん DPS マイディー・める ヒーラー・そらりすB班 タンク・るぶ DPS あんじゅ・光のお父さん ヒーラー・ぱすてぃ分離後のスライム運搬は光のお父さんとめるくんがそれぞれの班を受け持つことになった。
いい感じだ・・・いい感じではある。2班に別れ・・・分身した蛇を2班に別れて殲滅・・・。正解だ・・・。
ここまで解ればもうクリアは目前だ。
でも・・・大きな問題が・・・・
それは2班に別れ、片方の班が蛇を倒したときに起こった。残った蛇が「スチールスケール」を連発し鬼のような攻撃力に!!この蛇の最後のあがきに・・・崩れ落ちる8人・・・!!
なんとか粘るも次々と倒れていく。
これだ・・・これが大迷宮・・・の真の恐怖!誰もが大迷宮で経験するという・・・
敵のHP残り1%の全滅!!幾度と無くこれを経験するだろう・・・。敵を倒しきる最後まで安心してはいけない・・・それが大迷宮。
そしてここでタイムオーバー。攻略は翌週までおあずけ。
全員唇をかみ締め、大迷宮を後にする。
悔しい・・・・。

蛇の最後のあがき・・・その正体。
2匹に別れた蛇は片方が倒されると「スチールスケール」を連続で使用し手がつけられなくなる。
これを避けるためには、2班に分かれたそれぞれの班が
ほぼ同時に双方の蛇を倒す必要がある。通常ならそれは、自然ととそうなる事が多いが、今回のPTは・・・
FC:じょびチームと FC:ARISEチーム に大きなアイテムレベル差がある。この攻略のルールにのっとり
A班 ←FC:じょび (最低レベル装備)B班 ←FC:ARISE&光のお父さん(最新装備)となっている為、この班分けでは、火力が偏ってしまうのだ。
来週の攻略までに「同時に倒さなければならない」という攻略方法に気づいてくれるかな?
そして翌週の再チャレンジ。
制御システムを破壊し、再び一本道を進む。
おのおの悔しい思いを拭いきれなかった1週間。
残り1%の壁を越えたい。

数回のチャレンジのあと・・・2匹同時に倒さなければならないというところまで推察が届く。
A班 タンク・きりん DPS あんじゅ ヒーラー・そらりす B班 タンク・るぶ DPS マイディー ヒーラー・ぱすてぃ C班 DPS める・光のお父さん火力を整えるため、あんじゅくんとマイディーをトレード。
さらに蛇2匹両方の体力を見ながら両方を遠方から攻撃するC班を追加。
これにより、均等に2匹を削る作戦だ。
まさに理想の布陣!!
最初は絶望を味わう。しかし、諦めず光明を探す。
話し合い、試す。失敗し成功し、少しずつ進んでいく。
超える力と最新装備で今や邂逅編は通り過ぎるコンテンツとなってしまった。
でも・・・これだ・・・。この空気・・・。
みんなで真剣にぶつかっていく。通り過ぎていくなんてもったいない。

どんなコンテンツだってそうだと思う。
終わったと思ったとき終わる。
でも角度を変え、いろんな趣向で挑むことでまた違った一面も見えてくる。
一度作ったプラモデルを、分解し組み立てる。「今度は違う色で完成させる」という発想。
クリアしたという結果に重きをおかず、
「クリアを目指す時間を楽しむ。」「クリア」という「結果」ではなく、「クリア」までの「過程」を楽しむという発想は、毎日をもっと楽しくするかもしれない。
この時のメンバー、みんなで考えた作戦で・・・
みんなで一生懸命になり・・・
僕たちは・・・

カドゥケウスを倒したんだ。そうだった・・・そうだった・・・
これが邂逅編1層だった。思い出す。 FC:じょびで必死になってシフトを組み、みんなで挑んでぶつかって・・・。
初めてクリアできたときの・・・あの喜び。
あの時と同じようで違う感動。邂逅編1層クリア・・・それは自分たちも大迷宮に通用するという自信をくれる。
エオルゼアの世界で、ちょっと大人になったような・・・自分の成長を感じる時間・・・。
それを今一度違う形で体感する・・・。

みんなうれしそう。
初見の人達は頑張って初めてクリアできた喜び。
僕たちは、最低レベルの装備での挑戦を成し遂げた喜び。
いい喜びの空気が流れている。
オンラインゲームは本当にいろんな発見がある。
僕はみんなとわいわい話しながら、SSがちゃんと撮影できているか確認していた。
そして僕はSSを見て気づいた。
ARISE・・・・。君たちというやつは・・・;;

この日、光のお父さんは初めての大迷宮クリアに興奮し、何度も何度もジャンプしていました。
「沈黙」と「スライム運搬」、がんばったね。おめでとう、お父さん。
大迷宮バハムート・邂逅編1層クリア!後日。
どうしても気になったので、ARISEのぱすてぃーちゃんに聞いてみた。
「なんで、ARISEも超える力を切ってたの?」
「あんなのつけてクリアしても嬉しくもなんともないじゃないですか・・・」かっこいいじゃないか・・・ARISE魂。
きっとこの子達も「結果」だけでなく「過程」も楽しむことができるFCなのだろう。
やっぱり君たちにお願いして良かった。
この子達と5層をクリアしたい。純粋な気持ちで1層ずつクリアし・・・再び5層クリアの喜びを分かち合いたい。
きっとそこに・・・光のお父さんが求める「感動」もあるに違いない。たしかに一度通った道だ。何をどうすればいいか、僕たちは全部知っている。
それでも、角度を変えて挑むことで充分な感動は得られるんだね。
さあ!つぎは第2層に挑戦だ・・!!みんなで仲良くまわそうか・・・地獄の爆弾 「アラガンロット」!!!つづく。
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