
この空気・・・なつかしい・・・。
アップタウンから東へ進んだ所にある・・・モーモー草原・・・。
あれから・・・もう5年もたったのか・・・・。
もうECOくじもECOドリームも滅んでしまった・・・。
私の人生そのものだったECOくじは・・・滅んだんだ・・・・。

ECOくじ・・・!!
それは・・・運否天賦が全てを左右する・・・エミルクロニクルオンラインにおける・・・課金くじ・・・!!
1回500円に夢を賭け・・・ 1等を出せば数億で販売できるパートナーが手に入る・・・・!!
だが出ない・・・! いつも出るのは・・・割とどうでもいい消費アイテム・・・!!
人は取り付かれたように1等を狙う・・・! 1等のKAWAIIを求めて・・・どんどんと資金を溶かす・・・・!
言うなれば・・・ KAWAIIの底なし沼・・・・!!

そんなECOくじが・・・私の人生の全てだった・・・・。
毎回新しいECOくじが発売になれば・・・500円で1回だけ引く。
泣いても笑っても1回だけ・・・。 そのルールで私はECOくじそのものと戦ってきた・・・・。

全ては家族を取り戻すために・・・・。
ジニアでのセレブを目指すECOくじ勝負に負けた私は・・・
家族であるムツキとバウ子、そして全財産をじょびネッツアに没収され・・・
返してほしくば、3つのサーバーで当時高額だった・・・
「バレンタインの紹介状」を集めて来いとこのジニアを追い出された。
そして旅先で出会い仲間になった りんごちゃん や ベリアル とともに・・・
クローバー、ルピナスで行われたECOくじデスゲームに打ち勝ち・・・バレンタイン紹介状を手に入れた・・・。
しかし・・・最後のサーバー、大都会フリージアでの戦いは・・・
そうそううまくはいかなかった・・・・

ECOくじを駆使して集めた6億GをECOメダル100枚に換金し・・・
難攻不落・・・・!!史上最悪・・・・!!!凶悪無慈悲・・・!!!
最凶のECOくじ販売マシーン・・・「沼」と戦ったんだ・・・・。

ECOメダル100枚による、沼への大爆撃・・・。
私と同じ姿をした・・・『ECOくじの神様』が支配する『沼』の攻略は容易ではなかった・・・。
ECOくじの神様は・・・当時ないがしろにされていたティタやマーシー、ルルイエなどNPC御三家の力を使い・・・
100枚のECOメダルを容赦なく溶かしていった・・・・。
やがて、私はその戦いの中・・・

全ての運を、後へと引けない状況で押し切る究極のくじ戦士・・・
ミラクル・クージー・エターナルへと進化しはじめた・・・。
その力で過去へと戻り・・・NPC御三家の魂を味方につけた・・・。
一気に勝負を賭け・・・
ECOくじの神様の正体が、自分のくじ結果に対するネガティブな気持ちが生み出したもう一人の自分だとつきとめ・・・
その力を打ち消し・・・沼を攻略まであと一歩というその時!!

なぜか急に現れた、なぞのくじ戦士・・・室町きりんに全ての運を吸収され・・・。
全てのECOメダルを失い・・・大爆撃は失敗・・・。
沼の攻略は果たせなかったんだ・・・。

謎のくじ戦士室町きりんの正体は・・・「ドリーム星」という星からやってきた・・・くじ戦士だった・・・。
ミラクル・クージー・エターナルに進化しかけた私の祝運を奪い・・・ECOくじに命を懸けるくじ戦士を滅ぼし・・・ECOくじを廃止。
新たなくじシステム・・・「ECOドリーム」を開始させた・・・。

従来のECOくじと違い・・・多段階方式の抽選を行うECOドリームは・・・私たちくじ戦士を消耗させた・・・。
2段変形する新型物欲センサーは猛威をふるい・・・私たちを追い詰めてきた・・・。

ECOドリームによる支配を避けるように・・・私とりんごちゃんは、地下世界へと逃れた・・・・。
しかし・・・その地下世界で私たちを待ち受けていたのは・・・
ECOドリームの支配を逃れ・・・未だに闇の世界で行われていた・・・ECOくじ・・・
「裏ECOくじ」だったんだ・・・。
裏ECOくじは・・・1回200万の裏ECOくじ・・・1等はそのシーズンの全アルマ、2等はスタポ・・・その二つしか景品が無い裏ECOくじや・・・人体の一部を賭ける事で引ける裏ECOくじ・・・、寿命を賭ける事で引ける裏ECOくじ・・・
地下世界の裏ECOくじは・・・どれも表の世界では見る事ができないような過酷なものばかり・・・。
そんな世界で戦う裏のくじ戦士たちの力は・・・強大だった・・・。

私とりんごちゃんはそんな裏のくじ戦士たちとの戦いを経て・・・
奪われた以上の宿運を取り戻し、心強い裏のくじ戦士たちを仲間にすることができた・・・。
そして、再びECOくじを復活させるため・・・
私たちは地上へと戻りECOドリームに戦争を仕掛けた・・・。

私はECOくじ最凶マシーン「沼」を量産し、ECOくじ軍のリーダーとしてドリーム軍の室町きりんと戦った・・・。
長きにわたる・・・ECOくじ軍とECOドリーム軍のくじバトル・・・。
己の運を使い果たし・・・次々と死んでいく両軍のくじ戦士たち。
やがて・・・

ECOくじ軍とECOドリーム軍との戦いは激しさを増し・・・
戦いの舞台は、アクロニアを飛び出して宇宙へ・・・!!
そして私たちは、この宇宙の中心で原初の課金くじと呼ばれる「アカシックガチャ」へとたどり着く!
そのアカシックガチャで1等を勝ち取れば、「あらゆる願いを叶えてくれる」という・・・。
私と室町きりんは、そのアカシックガチャで最後の勝負をすることになった・・・。

アカシックガチャの持つ原初の物欲センサーの力は強大で・・・・やがて消耗していく私と室町きりん。
いつしか二人の間に・・・
同じくじ戦士としての勝負を通り越した友情のようなものが芽生えた・・・。
もう「ECOくじ」も「ECOドリーム」も関係ない・・・ただ・・・いちくじ戦士として、このアカシックガチャを倒したい・・・。
全ての力を出し切った室町きりんは・・・必ず・・・必ずアカシックガチャを攻略してくれと・・・
私から奪い取った宿運を私に戻し・・・
宇宙のかなたへと消えていった・・・。

ミラクル・クージー・エターナルの力を取り戻した私は・・・全宇宙のくじ戦士の祈りを受けて・・・最終形態である
『ファイナル・ミラクル・クージー・エターナル・ビヨンド』へと進化し・・・
宇宙原初の課金ガチャであるアカシックガチャを攻略・・・
見事に1等を勝ち取った・・・・。

さあ・・・願いを言え・・・
全宇宙最強のくじ戦士よ・・・いかなる願いも叶えてやろう・・・。
宇宙の支配か? それとも私と同等の知恵が欲しいか?
しかし、どんな望みを叶えたとて・・・この宇宙に残された時間はもうわずかだ・・・
お前は何を望む・・・。

もう私を縛り付ける・・・ECOくじも・・・ECOドリームもなくなってしまった・・・・。

もう私には生きる意味もない・・・存在する理由がないんだ・・・。
ECOくじクージーとしての私の人生はここで終わった。

それでも・・・そんな私でも・・・待っててくれる家族がいる・・・。
もうずいぶん待たせてしまったから・・・もう私の事はわすれちゃったかもしれない・・・。
新しい主人に仕えてるかもしれない・・・・。

それでも・・・残された時間を・・・家族と一緒にすごしたい・・・。
もう・・・帰りたい・・・ふるさとに・・・。
私が望むものは・・・ずっとただひとつ・・・・家族の元に帰りたいっ!!

よかろう・・・。
お前は・・・いつも500円玉一枚を握り締め・・・ここまで戦ってきた・・・。
お前の手の中にあったのは・・・500円玉ではあるが・・・
それはお前の未来そのものだったのだ・・・。
お前の強さはいつもそこにあった・・・。 自分の未来を信じる強さ・・・。
何かを願うときは・・・奇跡を信じて・・・右手を強く握れ・・・・
未来はいつもお前の手の中にある・・・。

奇跡を・・・・

奇跡を起こせっ・・・!! 500円・・・・!!


クージー 「なんだこいつらっ・・・!」
ムツキ 「気をつけてください!コッコーはアクティブです!」
クージー 「えっ!?」

バウ子 「ムツキがエリアヒールしてくれなかったら、ご主人間違いなく死んでたです!ちゃんとありがとう言うです。」
クージー 「・・・・あり・・がとう」
バウ子 「ご主人デレですか?今のデレですか?」
クージー 「・・・今度やられそうになったらバウ子の肉で回復するよ」
バウ子 「えー!?」

クージー 「あれ?バレンタインの紹介状を求めて・・・あれ?」
ムツキ 「バレンタインの紹介状?それって4年前のくじ品ですよ・・・?今は2012年のバレンタインですっ!」
クージー 「2012年!?」
バウ子 「ご主人コッコーに頭つつかれすぎです・・・・」
クージー 「ごめん・・なんか・・・混乱して・・・」

ムツキ 「今日は、私たちのネームプレートを買いに、東へやってきたんですよ?」
バウ子 「きおくそーしつですか?」
クージー 「いや・・・むしろ・・・記憶が多いというか・・・・」

戻ってきたのか・・・あの頃に・・・。
一番楽しかった・・・あの頃に・・・・!! またこうやって3人で・・・一緒に暮らせる・・・。
一番楽しかった時期をもう一度やりなおせる・・・!
これが・・・アカシックガチャの・・・1等の景品・・・!!
私が心から望んだ・・・1等!

クージー 「さあ・・・ネームプレートを買って帰ろう!
そしてECOくじでスーパーセレブになって、残された時間を自由に生きるんだ!」
バウ子 「なれますかねー・・・?スーパーセレブ・・・」
クージー 「なれるさ!」

あれからまた5年がたった・・・。
何かを望むときは・・・
奇跡を信じて・・・右手を強く握れ・・・・
未来はいつだって・・・自分の手の中にある・・・。
掴んだ未来を・・・話さずに掴み続けていれば・・・それは・・・いつかは望んだかたちになる・・・。
そう思って生きてきた・・・たとえこの世界が終わっても・・・私たちはその思いを持って生きていくだろう。
すばらしい家族との思い出とともに・・・。

夢をありがとう・・・ECOくじ・・・ECOドリーム。
たくさん悔しい思いもしたけど・・・たくさん楽しい思いもした・・・
それもこれもいつかは良い思い出となって・・・笑える日がくるだろう・・・。

ECOくじクージー
-完-